東洋経済オンラインで、「新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ 高橋泰教授が「感染7段階モデル」で見える化」という記事を読んだ。
新型コロナの感染状況を、「感染7段階モデル」で説明、コロナによる日本の死亡率が低い理由を試みている。
このモデルは、説得力がある。
感染7段階モデル
この中で、アジアと欧米の差を産んでいるのが、自然免疫力
(注)自然免疫: 侵入してきた病原体を感知し排除しようとする生体の仕組み。外敵への攻撃能力はあまり高くないが、常時体内を巡回している警察官に相当する。
獲得免疫:病原体を他のものと区別して見分け、それを記憶することで、同じ病原体に出会ったときに効果的に排除する仕組み。1種類の外敵にしか対応しないが殺傷能力の高い抗体というミサイルで敵を殲滅する軍隊に相当する。
サイトカイン・ストーム:免疫システムの暴走。免疫細胞の制御ができなくなり、正常な細胞まで免疫が攻撃して死に至ることもある。
「自然免疫力(特に細胞性免疫)の強化にBCGの日本株とロシア株が関与した可能性は高いとみている。」というのも以前から言われていて、納得できる。
納得できないのは、死因をサイトカイン・ストームだけにしていること。
普通は、肺炎とか合併症なのにねえ。
計算に差はないのかもしれないけど。
最後の結論が、また凄いね。
日本ではこれまでのところ、人口10万人に対し0.8人が亡くなっている。われわれは自然免疫の存在を重視しており、それを前提としたシミュレーションでは、新型コロナウイルスが現状の性格を維持する限り、どんなに広がっても10万人中3人以上、つまり全国で3800人以上死ぬことはなさそうだというのが、結論の一つだ。
一方、人口10万人に対して16人、全国で2万人強が自殺で亡くなっている。過去に景気が悪化したときは3万人を超えて10万人当たり24人になった。そうであれば、10万人対比で見て、新型コロナによって2人亡くなるのを防ぐために、景気悪化で8人の死者を増やすのかということになる。対策のメリットとデメリットのバランスを考えないといけないのではないか。
まあ、新型なのだから、何が真実で今後どうなるかなんて、誰も正確にわからない。
事実を調べて、仮説を立てて、検証していくしかない。
ただ、このモデルは有効そう。