長野 正孝著の「古代史の謎は「海路」で解ける」 (PHP新書) を読んだ。
評価:★★ で普通。
古代史を「海路」の視点から解明していくという、面白い本。
著者は、元国土交通省の港湾技術者で、港湾の実務に詳しいエンジニアである。
元・国土交通省河川局長の竹村公太郎の「日本史の謎は「地形」で解ける」の2番煎じだね。
理系出身の人は、データが多くて信憑性が高まるからいい。
古代の日本の謎を筋道だって解き明かすというよりも、所々面白い説に発見と説得力があって面白しろい、という中身だった。
卑弥呼の時代、舟は手漕きだった。
だから、当時の主要航路だった日本海沿岸には泊地が並んでいた。
漕ぎ手が泊地で休憩したり、食事を摂る必要があったから。
泊地のない丹後半島北は回り込むことができず、川と高低差のない箇所を陸路舟を曳いて丹後半島を横断したというのである。
こんな話は初めて聞いたし、ありえると思う。
また、当時は海面が高く、奈良には古奈良湖、大阪には河内湖と大きな湖があって、現在の地形から考えるよりはるかに、舟で行き来できたことは、古代史を考える上で重要である。
また、島根半島は陸続きではなく、島だったことも驚きだし、宗像大社もその地は内陸ではなく島になっていたことも興味深い。
まあ、こういう新しい話が多々あって為になる一方、全体としてはいろいろすっと納得できない話も多い。
が、読んで損はない本である。
これから理系の人の観点も色々入ってきて、古代史の全体像も深まっていくのだろうと思った。
コメント
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こんにちは。
良さげですね。
試してみます。