神戸の地元「須磨」にスポットを当てた展覧会。
割と古い歴史があるようで、国宝1件・重要文化財7件を含む約150件の資料をとおして須磨の地が育んできた文化を紹介する展覧会だった。
★聖観音立像 平安時代、妙法寺
山頂に安置されていたという、荒々しい姿の仏像。
それでも仏像の神聖さがあって、いい。
★一面観音立像 鎌倉時代、清祥寺(須磨寺)
優美な立ち姿。
後背の天女の彫、特に下の方にある可憐な立ち姿の天女がかわいかった。
★不動明王二童子像 室町時代、妙法寺
迫力がある。
特に、矜羯羅の絵は、矜羯羅の白い肌と背後の荒々しい岩と滝の対比が素晴らしい。
★須磨明石図・住吉社頑固屏風 狩野山雪、彦根城博物館
松並木と杉だろうか神社の木々が美しい。
その濃密な木々と茫漠とした海辺の対比が見事だなと見ていたら、狩野山雪の作だとわかり、やはり違うなと思った。
「須磨」という京都から少し離れた狭いスポットにも関わらず、案外古い、いい歴史遺物が残っているのに驚いた。
そこそこ見れた。
同時に開催していた、企画展「四季山水図屏風重要文化財指定記念 太山寺(たいさんじ)展」 も見た。
★「四季山水図屏風」 狩野正信
狩野派の祖・狩野正信の絵は、初めて見た。
雪舟の山水を思わせる重厚さと遠近感がある。
特に岩のさっさっと筆を刷いたような描き方や遠くの山の簡略な描き方など。
見事という感じで見ていたが、近くで細かく見ていると、少し違和感も感じ、狩野元信、永徳にはかなわいな、と思った。