「浜口陽三と南桂子展」 ~静謐さと抒情の版画~ * 神戸市立小磯記念美術館

 神戸市立小磯記念美術館で 「浜口陽三と南桂子展」-ふしぎな世界への小さな窓 を見てきた。

 国際的に評価の高い銅版画家である浜口陽三と南桂子の画業と作品の魅力を紹介する二人展。
「カラーメゾチント」という新たな技法を生み出し、幻想的な暗闇の空間をつくりあげた浜口陽三。「エッチング」という技法によって童話を思わせる詩情豊かな世界観を表現した南桂子。

 浜口陽三の「カラーメゾチント」は神秘的で印象的だが、同じような版画が続いて、見ていて飽きが来る。
一方、南桂子は、メルヘンチックな甘さを感じることもあるが、抒情プラス形の面白さを追求している所もあって、見ていて飽きない。

★南桂子「魚と少女」 油絵
青を基調とした少し幻想的な絵。 割と初期の作品になるのだろうか。 憂鬱な青。 惹かれる。
調べたら、両親に早くに死なれて、最初の結婚もうまくいかなくて、基調には悲しみがあるみたいだな。

 浜口陽三の版画は、
「パリの屋根」「びんとレモン」が、いいね。 それと「ポプラ」。 シンプル化を推し進めているが、バリエーションで退屈にさせない。 そんな感じ。

★浜口陽三「14のさくらんぼ」

 南桂子といえば、どこか物悲しい「少女」の絵が有名。
「少女と月」が悲しい少女の誕生の絵。 少し荒々しい感じ。
少女は自画像なんだろうね。 もの悲しくて、鋭敏なところのある。
少女の登場する絵では、「海辺(少女)」が一番好きかな。
縦の波の線と蟹と魚に薄い青。 シンプルで抒情的な絵。

少女よりも他の版画の方が好きかな。
「鳥とどんぐり」「鳥と魚」「初冬の木」「赤い魚」とか。
シンプルに形や線の面白さを追求している。 シンプルだけど味わいがある。

★南桂子「シャトーと赤い実」

展覧会にはなかったが、ポストカードでは一番気に入ったので。

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