ジョルジュ・ルオー展  ~伊丹市立美術館~

 ジョルジュ・ルオー展を見に、伊丹市立美術館に行った。
パナソニック汐留ミュージアム・コレクションの中から選んだ、約100点の展示である。

伊丹市美術館 001 (640x480)
こじんまりとした美術館である。
中庭が日本庭園になっている。
2階の2部屋と地階の1部屋が展示場。

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★ 初期の作品では、この「ゲッセマニ」が印象的である。
 中世の絵を連想させる。

★ 版画集『ミセレーレ』、前半の人間の醜さと哀れさを描いた連作と、後半の戦争を描いた連作、本展のベストだった。
太い輪郭線の力強いことといったら、まさしくルオーという感じである。
人の醜悪さと哀しみを描く達人だ。
それに、絵のタイトルが、強く心に訴えてきて、まるで詩のようだ。

★ 版画集『ユビュおやじ』。
ルオーが初めて太い輪郭線で描いた作品。
墨絵用の筆で、自由に画面一杯に描いている。
優れた作品とは言えないが、後のルオーらしさに繋がる、奔放さに溢れている。
ルオーについての勉強になった。

★ 裸婦「悪の華」
二人の裸婦。 形を離れて美しい。

★ 「死者たちの入江」
何とも嫌な感じの絵。 沈む夕日の不快な色合い。
地獄への入口という感じだ。

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★ 「キリスト」 この俯いたキリストで有名な絵が別にあった記憶があるのだが。
これは、イマイチ。
頭上の赤い雲とのバランスが悪い。

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★ 「マドレーヌ」
この絵が目玉なようだが、派手な明るい色合いの美しさはあるが、ルオーの色の美しさは、こんなもんじゃない。
絵の具が塗りたくられていても、そこから深みのある、透明感のある、底光するような色の美しさが現れてくる、それがルオーの凄さ。
本展には、残念ながらそういう絵はなかった。

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