石井彰著の「木材、石炭、シェールガス」(PHP新書)を読んだ。
評価:★★
で、普通かな。
木材、石炭、石油というエネルギー源の変遷の歴史とその意味を語ってくれている。
昔、石炭がエネルギー源になる前、木材がエネルギー源として使用されており、木材が取りつくされて、文明地域の森林は壊滅状態になっていた。
特に、ヨーロッパが酷く、中でもイギリスが酷かった。
だから、イギリスには森がない。
産業革命で石炭がエネルギー源にならなかったら、とんでもない環境破壊が起こっていただろう。
日本も幕末、人口が爆発的に増えて、里山が禿山になって危なかった。
今の世界の人口は、莫大なエネルギー効率と量を有する石油が発見されたからだし、また今も支えているというのが良くわかった。
今、再生エネルギーが盛んにもてはやされているが、
太陽電池は、膨大な土地面積が必要で、環境破壊を起こしてしまうし、不安定電源の為、バックアップ電源が必要で、問題も多い。
再生エネルギーは、量が知れていて、石油の代替にはとてもならない。
結論は、「魔法の杖」などなくて、今あるエネルギー源のベストミックスを探るしかない、とのこと。
自分は、原発反対派だが、難しいね。
原発は、使用済燃料の処分に莫大なコストがかかって、結局高コストになるというのが、安全性とともに、反対する大きな理由なのだが。
その辺については、触れてない。
使用済燃料がゼロなら別なのだが、もう既に処分しなければならない量があるから、少し増えても関係ないかもしれない。
だから、原発は減らしつつ、代替エネルギー源を模索していくのが、現実的な解なのかもしれない。