「鈴木其一 江戸琳派の旗手」  ~姫路市立美術館~

 姫路市立美術館で「鈴木其一 江戸琳派の旗手」展を見てきた。
江戸の地で琳派の再興を図った酒井抱一の最も秀でた弟子が鈴木其一。
本展では江戸琳派画風を習得する弟子時代から晩年に至るまで、其一の生涯と画風の変遷を丁寧に辿ります。とのこと。

 自分の中では、琳派とは、俵屋宗達・尾形光琳・酒井抱一・鈴木其一と連なる絵師の流れだが、偉大なる宗達・光琳と比べて、抱一、其一とがくんがくんと衰退するイメージがあって、あまり期待していなかった。

姫路市立美術館に来るのは3度目か4度目くらいだ。
「酒井抱一と江戸琳派の全貌展」を見に来たことがある。
「夏秋草図屏風」に大感動したなあ。


ついでに白亜の姫路城。

★抱一の「白蓮図」。
リンとした美しさがある。

★鈴木其一 「群鶴図屛風」

離れて見ると、デザイン的なのだが、近くで見ると、写実的で洗練された美しさがある。

★鈴木其一 「風神雷神図襖」
琳派伝統のテーマ。
黒雲が墨のぼかしで表現されている。
過去の風神雷神図と違う斬新な印象を受けたのだが、過去のは金地に描かれているため目立たないのだが、この絵は白地の襖に描かれているため、黒雲が目立って効果的だ。

★鈴木其一「松島図小襖」
これも琳派伝統のテーマ。
執拗な波の線と単純な緑の岩の対比がとても印象的。

★鈴木其一「水辺家鴨図屛風」
デザイン性と写実性の見事な融合。
アヒルは写実的に描かれている。
アヒル以外を極力省略して、少ない色数で空間を表現している、そこがデザイン的。
「群鶴図屛風」といい「水辺家鴨図屛風」といい、デザイン性と写実性の融合が、其一の大きなテーマになっていたと思う。
そこが、宗達・光琳からの其一独自の工夫だ。

★鈴木其一「群禽図」
2つの掛け軸からなる。
枝に止まるミミズクを中心に26羽の鳥が飛び交っている。
鳥たちを木の幹と枝が取り囲んでいる。
墨による木の表現が素晴らしい。
ミミズクがどっしりと中心に構えているために、象徴的な雰囲気すら漂ってくる。
とても気に入った。
其一の技術の高さと幅広さを感じさせられる。

★鈴木其一「雪中竹梅小禽図」

 対の掛け軸。
左の梅の薄紅、右の清新な竹の緑、そして両方にある雪の白の対比、鮮やか。

★鈴木其一「富士千鳥筑波白鷺図屛風」
二曲一双。
左は、銀地に群青の筑波山と墨の林、右は、金地に白と紺の富士山と緑と茶の松が描かれている。
現代的なくらい色鮮やかだ。
金屏風と銀屏風の一双なんて、初めて見た。
決して、調和のとれた美しさはないが、その大胆さに目が惹かれてしまう。

★鈴木其一「大原雑魚寝図」
デザイン的な絵の後、このしっかりと写実的に描かれた人物群像を見ると、さすがに腕があるなと感心してしまう。

★鈴木其一「釈迦三尊十六善神像」
現代の作品のように色鮮やか。
細部まで実にしっかり描かれている。
昔の仏画は今は色あせて枯淡の味わいを出しているが、描かれた当時はこうだったんだろうな、と思わせられた。
この絵も300年も経って色あせれば、名作となっているかも。

★鈴木其一「達磨図凧」
凧の絵でも迫力があって、うまい。
同じく凧絵で気に入って、ポストカードを買ってしまった「紅葉狩図凧」

これは、前期展示で実際には見れなかったが。

★「戯墨」印:十牛図扇面  鈴木其一:稲穂図下絵
扇に貼られた小さな5枚の水墨画が凄すぎて、其一がこんな水墨画が書けるのかと仰天していたら、下絵だけが其一で、牛の水墨画は、室町の作と知り、だろうな、と思った。

★鈴木其一「十二ヶ月図花鳥図扇面」
扇面だが、素晴らしい。
細かい絵がうまいのだが、構図も大胆で面白い。

 最初、鈴木其一に対して、ネガティブな印象を持っていた。
過去の展覧会で見たときは、他の琳派の大家の絵と並べられていたので、それは見劣りしてしまう。
しかし、今回、其一の絵を見れば見るほど、惹かれていってしまった。
うまいし、大胆だし、新しいことにもチャレンジしている。
そして、多彩な絵の数々。
勿論、宗達・光琳には敵わないが、抱一とはいい勝負をしてるんじゃないかと思った。
姫路までわざわざ見に来た甲斐があった。

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