鏑木清方の芸術展   美術館「えき」KYOTO  08/01/26

 京都駅ビル内 JR京都伊勢丹7階にある美術館に「鏑木清方の芸術展」を見に行った。鏑木清方の生誕130年、鏑木清方記念美術館の開館10周年を記念してということらしい。この美術館は、2〜3度目である。JR京都駅の改札を出ると左手に大階段が伸びていて、これが屋外でビルの10階まで通じているという斬新な構造になっている。この階段の右手の伊勢丹7階にこの美術館はある。まあ普通のデパート内美術館である。
 さて、鏑木清方は初めてまとめて見た。美人画で有名な人である。この人は、最初から挿絵画家として師匠につき、デビューした人らしい。生粋の日本画家ではない。このことが技術の拙さにつながっているように思えた。まず挿絵が並んでいた。着物の女性に風情があるが、特に感心もしない。その後、日本画を描き始める。なんだかやぼったい。「霽れゆく村雨」下絵、この絵で初めて感心した。そして一番良かったのが、「築地明石町」下絵である。着物の女性が、ほんの少し前かがみで、袖で胸前をお押え、振り返っている構図である。その姿に気品とほんのり色香が漂う。きりっとした少し勝気な顔もいい。後で本で本絵を見たが、もしかしたらこの下絵の方がいいんじゃないかと思った。横に代表作と言われる「朝涼」、着物姿の少女がおさげをいじりながら草原を散歩している横姿を描いている。清澄ないい絵であるが、「築地明石町」下絵の方がいいなあ。「たけくらべの美登利」の下絵もよかった。「大和路の或る家」も、スケッチは味わいがあるのに、本絵はイマイチだった。もしかしたら、この人は、鉛筆のデッサンが一番素晴らしいのかもしれない。
 写真は、左が「築地明石町」下絵、右が「朝涼」。

Mylozokf

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