八橋図 尾形乾山筆
日蓮と法華の名宝展を見に京都国立博物館に行った(09/10/31)。ここの駐車場が止めれる台数が減った上、路上で止め待ちができなくなって、非常に不便になっていた。なんとかならんかなー。
さて、本展は予想通りあまり面白くなかった。書にあまり興味がないので、しょうがない。いい絵が少なかったし、長谷川等伯の絵もそれほどでもなかった。
詫間栄賀筆の「釈迦三尊・羅漢図」、象と獅子の上に座る二尊が、女性的で美しい。高麗時代の李晟筆の「弥勒下生変相図」、なかなかうまいが、全体として美しくない。長谷川等伯筆の「日蓮像」、すごく写実的で、こんな絵を等伯が描いていたのかとも思ったが、日蓮の前の机のラインが定規で引いたような無機質で、あまりいいとは思わない。北海道・法華寺の「日蓮坐像」、顔に力がある。他の日蓮坐像とも共通するのだが、眼に力があり、少し寄り目である。恐らく実際に日蓮の眼に迫力があったのだろう。さて、イマイチだった内容が、第五部に来て、ぐっと良くなってきた。本阿弥光悦の硯箱や茶碗は、美しい。そして、尾形光琳筆の「太公望図屏風」、これが面白い。太公望を中心に、崖のラインと川の織りなすラインが、画面を支配している。デザイン的である。しかし、美しいわけではない。さて最後の間が良かった。この間がなかったら、がっかりだったに違いない。狩野元信落款の「十六羅漢図」、水墨画らしい黒の生み出す迫力がある。狩野山楽筆の「唐獅子図屏風」、離れて見ると、獅子の胸前が長くて変に見える。決していい絵ではないが、近くで見ると、線に力がある。伝狩野山楽筆の「四季竹図屏風」、これが美しい。四季の竹も勿論美しいが、所々に四季の可憐な花が描き添えられていて、いい。タンポポや菊や秋草なのだが。そして最後に本圀寺の「厩図屏風」、これが面白い。左手に、松に藤。近くで見ると、松にまとわる藤が触手のようで、少し異様であるが離れて見るとそうでもない。右手には、桜。そして、横長に厩が描かれ、馬が荒々しく描かれている。確かに戦国の馬である。そして、その手前の縁側で普段着の武士たちが、将棋をしたりしてくつろいでいる。厩を中心に普段の武士の生活をテーマに描いた絵だと思うが、なかなかいい。