「南画って何だ?!」展   兵庫県立美術館  08/05/02

 「南画って何だ?! 近代の南画−日本のこころと美」展を見に兵庫県立美術館に行った。この美術館に行くときは、いつもラーメン激戦区である2号線沿いの店でラーメンを食べることにしている。この日は、阪神「新在家駅」近くの「山神山人」で食べた。トンコツスープに極細麺の取り合わせで、非常にうまかった。近年食べたラーメンでは、一番かもしれない。
 ところで、この駄洒落みたいなタイトルを考えたのは、どこの阿呆だ。せっかく南画の優品がまあ集まっているのに、このタイトルだと、2級品ばっかりの子供相手の展覧会のようなだ。ホント、センスを疑う。
 色々な画家の南画ばかりをまとめて見るのは、初めてだ。こうやって見ると、色々な画家の特徴がわかって、面白い。大雅、蕪村から始まって、時代順に並んでいたが、最後まで見終えると、結局最初の大雅、蕪村が一番良かったということになった。
 まず、池大雅の「芙蓉峰」、海沿いの家の向こうに富士山が見える。北斎以前の素朴で美しい富士である。蕪村の絵もいい。木村蒹葭堂の絵を初めて見たが、趣味人の絵としてはいいかな。さて、浦上玉堂。他の南画と比べると、さすがに違う。絵に透明感がある。岡山県立美術館での‘06の「浦上玉堂」の大回顧展で、疲れきるほど玉堂の絵を見て、その素晴らしさに感服したが、こうやって他の画家の絵と比べると、玉堂の良さを再認識できる。中村竹洞の「山水図」、竹田の「山陰夜雪図」がいい。
 そして、高橋草坪の「寒江独釣図」、これが特に気に入った。聞いたこともない画家だが、説明書きを読んで、なるほどと思った。32歳で若死したらしい。惜しいことである。鉄斎が何点かあった。鉄斎としては、イマイチであった。全体を墨で塗りながら、その濃淡で滝だか川だかを描いた「空翠湿衣図」、これが一番良し。後は、明治以降の色々な画家の色々な個性を感じさせる絵を楽しめたが、時代を下るごとにテンションが下がってしまったのは、やもうえず。
 写真は、蕪村の「富岳図」。

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