クロード・モネの大回顧展ということで、国立新美術館に見に行った。地下鉄の乃木坂駅から通路を歩いていくと、美術館に入ってしまうという近さで、ガラス張りのフロアーがえらく現代的だ。外から見なかったのだが、外観は、前面を覆うガラスカーテンが、波のようにうねっているらしい。一体、東京にいくら美術館を作ったら満足するつもりだと言いたくなる。さて、土曜日ということで、結構混雑していて、入るのに10分待たされた。
モネは、昔モネ展を見て、とても好きになった画家だ。昔というとどれくらいだっただろうと、ネットで調べてみると、わかるもんだねえ、1982年に京都国立近代美術館でやっていた。出品作もわかり、錚錚たる名画が揃っていた。記念碑的作品、「印象、日の出」をはじめパリ、マルモッタン美術館所蔵作品が多かったようだ。睡蓮のいい絵が多かったような記憶がある。
さて、今回だが、オルセー美術館所蔵作品が多く、いい絵を集めていた。それにしてもモネの光あふれる色の美しさは格別である。世界最高の光の画家であるのは、間違いないだろう。特に《かかさぎ》と題された光あふれる雪景色が気に入り、ポスターまで買った。モネは、同じ題材を繰り返し描く。海岸の景色、セーヌ川、ポプラ並木、積みわら、ルーアン大聖堂、ウォータールー橋、睡蓮と。それぞれいいんだなあこれが。
モネは、最晩年に、色を塗りたくった光のない絵を描く。これはなんなんだろう。昔も不思議に思ったが、今回も不思議で異様な感じがした。モネが最晩年に眼を悪くしたことと関係があるのだろうか。