ロシアＷ杯アジア最終予選Ｂ組、日本はサウジアラビアとホームで対戦した。
ここで負けると、予選敗退の可能性が高くなる剣が峰の一戦だ。
ハリルホジッチは、思い切った先発起用に踏み切った。
GK：西川
CB：吉田と森重
SB:長友と酒井 宏樹
ボランチ：長谷部と山口 蛍
MF：久保 裕也、清武、原口
FW：大迫
の先発。
本田に代えて久保を起用したのは、驚きだった。
浅野ならわかるが、浅野は切り札としてベンチに置いておきたかったのだろう。
それにしても、本田を外したのは、度胸がある。
さすが、ハリルホジッチだ。
前半は、日本のプレスが効いて、押し気味に試合を進める。
しかし、得点は決められない。
はがゆい展開。
30分頃から、こぼれ球がことごとくサウジ側に流れ、サウジに攻められる。
何とか凌ぐ。
そして、前半43分、ゴール前の混戦から清武がシュートを放つと、サウジ選手のハンドを誘い、PKを獲得する。
それを落ち着いて、清武が決めた。
オマーン戦でGKが絶対取れない右上隅に決めていたのが自信になっていたのだろう。
落ち着いて、今度は逆の左下に決めた。
PKキッカーが本田から清武に変わる分水嶺になる瞬間だったな。
前半は、1-0で終了。
いい感じだ。
後半、イマイチだった久保に変えて、本田を投入。
早めに手を打ったいい判断だったと思うが、本田自身は相変わらずだった。
後半も日本が攻める。
後半20分、足を痛めた清武に代わり、香川を投入。
そして、後半35分、珍しく長友が左サイドを駆け上がりクロス、香川が触れて流れたボールを原口がきっちりゴールに蹴り込んだ。 これで2-0。
原口は4試合連続ゴールだ。
前のオーストリア戦でPKを献上したので、勢いが止まるかと心配してたんだが、そんな心配を吹き飛ばすゴールだった。
これで、試合は決まり。 あやうくば、3-0になればな、と思っていた。
しかし、甘くはないな。
後半45分、サウジは右サイドにうまく展開、フリーでシュートを打たれるが、西川がはじき返す。
しかし、そのこぼれ球を蹴り込まれた。 これで、2-1。
ロスタイム、クロスにヘディングシュートを打たれるが、西川がキャッチして防いだ。
そして、試合終了。
2-1でサウジを破って、大一番に勝った。
いい試合だった。
ボランチから前の選手のプレスが良く効いていた。
蛍のいいのは、当然だが、原口が素晴らしかった。
相手選手に体を当てて、ボールコントロールをさせない。
チャンスがあれば、相手選手とボールの間に体と足をこじ入れ、ボールを奪いにかかる。
こういうプレーは前線では岡崎が一番うまいが、原口はそれに次ぐね。
そして、今日は最後まで走り抜いた。
何よりガッツ溢れるプレーが味方を鼓舞したと思うよ。
今日の試合の文句なしのMVPだ。
清武も良かった。
ボールを受ける動きもいし、ドリブルでボールを前に運べるのがいい。
ディフェンスも良くなってる。
大迫は点が取れなかった。
前半39分、長谷部からの裏への浮き球を久保が落としたのをふかしたシュート。
あの絶好のチャンスを外したのがイタダケナイ。
しかし、ポストプレーが素晴らしかった。
あれだけ、前線でボールをキープしてくれたら、MFがどれだけプレーしやすいか。
大迫はオールラウンドプレーヤー。
高校サッカーで史上最高の得点王に輝いたが、鹿島では地味で終わっていた。
ドイツに渡って、3年目。
やっと開花してきたのかな。
ただ、得点を取った訳ではないので、まあ合格点というところ。
岡崎は、国際Aマッチ 49得点だからね。 実績が違う。
本田は相変わらず動きにキレがなかった。
ゴールを狙えるポジションには入ってくるのだが、トラップでもたもたするし、素早くシュートが打ててない。
なかなかいい守備も、今日はのそのそ走っていて、ダメだった。
とっととACミランを出て、試合でプレーしないと使い物にならなくなるぞ。
香川もダメだねえ。
プレーが軽すぎる。
守備がダメで、プレスがかけれないから、本田と香川が最後の失点の遠因になっていたと思う。
守備がダメな選手はチームで一人まで。
代わりに、その選手はスーパーでなければならない。
今の香川はスーパーではないわな。
この試合は世代交代を告げる試合になると思う。
トップ下は著しく成長した清武で決まり。
本田も武藤や小林悠が戻ってくれば、うかうかしてられない。
長友も元気溢れるプレーがなかったなあ。
まだ、酒井高徳が伸び悩んでるから、使われるとは思うけど。
この試合では、日本の守備力が目立った。
サウジのドリブルを抑え込んだ。
日本が守備を備えていた時は、サウジに攻めさせなかった。
サウジに攻められたのは、ルーズボールがサウジに渡った時。
その時は、スペースができて、そこにサウジの選手が走り込んだり、ドリブルで切れ込んだりで、サウジの攻撃力の高さが伺われたが、1点で抑え込んだ。
今日はサイドの上がりが少なかった。
ハリルホジッチが適切な指示を出していたんだろう。
さすがだと思う。
アウェーのオーストリア戦で守備優先の試合運びで批判を浴びまくったが、あの引き分けでも良かったんだと思う。
ハリルホジッチはリアリストだ。
戦争を生き抜いてきただけはある。
サウジは主将のセンターバックがレッドカードで退場している。
他の選手でも通算2枚目のカードを貰った選手が何人かいる。
次の試合でサウジは苦しむだろう。
Ｗ杯予選は総力戦。
本当は3-0でサウジにとどめを刺して欲しかったが、ダメージは与えたと思う。
さあ、これから後半戦。
日本の反撃だ。