クルーズ船が、コロナウィルスのスーパースプレッダー。

 新型コロナ感染が発覚した米クルーズ船「グランド・プリンセス」は、サンフランシスコ沖合で待機させられていたが、9日にオークランドに入港・下船開始するそうだ。
乗客は、健康診断をすませてから同州の住民は州内の連邦政府施設、そのほかの地域の住民は州外の同様の施設で検査・隔離する。乗員は船上で隔離、治療する方針とのこと。

 少し説明しておくと、
グランド・プリンセスは米カーニバルが運航し、乗員は約1100人、乗客は約2400人。日本人も4人乗船している。2月21日にハワイに向けてサンフランシスコを出港し、当初はメキシコを経由して3月7日に帰港する予定だった。集団感染の恐れがあるとして、5日にヘリコプターで検査キットを搬入。健康状態の悪い40人超の乗員・乗客を調べたところ、21人の感染が確認された。

 さて、これでいいのか、ということで日本でのダイアモンドプリンセス号がどうだったか、紹介したい。
ダイヤモンドプリンセス号の航路は、
横浜(1/20) 一鹿児島(1/22) 一香港(1/25) -ベトナム (1/27.28) 一台湾 (1/31) 一那覇(2/1) – 横浜(2/4)
だった。
2月1日、香港で下船した乗客の感染が確認
2月3日、横浜港に到着。着岸せずに停泊し、検疫開始。
2月5日、隔離開始。乗員乗客のうち10人に新型コロナウイルスの感染が確認された。
 発熱などの症状がある人を中心に、新型コロナウイルスの検査も順次行い、2月15日までに計218人の感染者が確認された。
アメリカ政府は2月16日から17日にかけて、ダイヤモンド・プリンセス号に乗っているアメリカ国民を退避させるためのチャーター機を派遣して帰国させた。
2月19日、下船開始。

下船基準は次の3つの項目、
1)陽性者と部屋を共有していない14日間の検疫期間が完了していること、
2)検疫期間最終日までに採取した検体がPCR検査でSARS-CoV-2陰性であること、
3)検疫期間の最終日の健康診断で異常が確認されないこと、を全て満たす者である。
2月20日時点で1600人以上が既に下船している。

PCR検査結果は、

1/20の1人以上の拡散源から隔離開始の2/5までの15日間で、619人に感染した。
(隔離が成功したと仮定してだが)
これは、1日で1.5倍のペースで増えたことになる。

さて、感染率は、619/3711=17%だ。
そして619人は、今の日本の感染者数502人より多いからね。
クルーズ船が、如何にコロナウィルスのスーパースプレッダーかがわかる。
密閉状態だと、いずれ接触感染するんだろうな。
ライブハウスでの感染例が多くなるはずだよ。 ミニクルーズ船みたいなもんなんだろうな。

日本は、対応が非難されたけど、よくやったんじゃないだろうか。
2月5日から2月19日まで、2週間留め置いただけで、陰性者を開放したのだから。
ダイヤモンド・プリンセスの乗客の出身地は50カ国以上とのこと。
果たして、陽性者をすべて抑え込めたかどうかは、何とも言えないだろうな。
そうでなければ、世界へと拡散していったことになる。

さて、一方イタリアでもあった。
イタリアの港に寄港したクルーズ船「コスタ・スメラルダ」の乗客1人に新型コロナウイルスの感染が疑われる症状が見られたとして、船内に足止めされていた乗員乗客約7000人はウイルス感染ではなかったことが分かり、1月31日下船を始めた。
ローマ北西のチビタベッキアで。
乗員1000人、乗客6000人で、このうち750人が中国からとのこと。

さて、因果関係がはっきりしているわけではないが、今イタリア北部では、物凄い勢いで感染者が増えている。
初め、イタリアで中国人が多いのが原因かと思っていたが、それもあるだろうが、クルーズ船が原因の可能性が高いな。
クルーズ船で濃縮された感染者が野に解き放たれたからだろう。

カンボジアでもあったな。
2月1日に香港を出港したウエステルダム号は、肺炎の感染者がいる恐れがあるとして日本やタイなどが寄港を認めない中、カンボジアが受け入れを表明。13日に南部シアヌークビルに入港し、14日に下船が始まった。
ところが、下船後にマレーシア入りした米国人女性の感染が確認された。
乗客は、カンボジアで留まるわけじゃないから、野に放たれたんだろうな。

アメリカは、ちゃんと対処出来るかな?
乗客2400人も隔離収容出来るのか?
船の留め置く乗員1100人をうまくさばけるのか?
まあ、もう既にアメリカに感染は広まっているから、決定的な出来事にはならないだろうけど。

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