今日、NHK杯で佐藤天彦名人と渡辺竜王の対局があった。
まあ、頂上対決。
羽生世代の天下から、ようやく次世代へ移りつつあるという象徴的な対局だった。
先手・天彦、後手・渡辺。
後手が、中飛車で、合穴熊になった。
こういう所が、勝ちにこだわりすぎて、魅せる将棋をするという余裕がまだないところかな。
じっくりとした戦いで、重量級の戦いと言う感じになった。
序盤。天彦がいい感じになってきた所で、渡辺が反発して、天彦が耐える形に。
渡辺が良くなったかという所で、天彦が飛車を切って取った角を、6五角と打った手がいい手で、そこから少し有利になったようだ。
その後、渡辺の厳しい攻めで、さすがの穴熊も薄くなったが、徹底的に守って、金銀で埋め戻して、盤石の守りを築いたところがさすがだった。 そして、しっかりと反撃。
着実な攻めで、相手の穴熊を攻め落とした。
佐藤天彦、強しという将棋だった。
とてもバランスがとれた将棋だ。
攻め将棋の多い中で見ると、少し守り重視の将棋に見えるが、とても攻守のバランスのとれた将棋だ。
いつの間にこんなに強くなったんだ、という印象を強く受けた。
さすがに、羽生3冠を破って、名人を取っただけはある。
それに安定しているという印象も受けた。
渡辺竜王の将棋を完全に上回った。
まあ、竜王も得意でない中飛車というのもあるが。