昨日、竜王戦決勝トーナメント 増田康宏四段 対 藤井聡太四段が行われた。
ニコ生とAbemaTVの両方で放送されたので、両方で見ていた。
ニコ生の解説が、谷川九段だったので、ほとんどニコ生で見ていたが。
終局の時には、視聴者が50万人を超えていた。
これは、凄い。 日本人200人に1人が見ていたことになる。
将棋人口は、700~800万人程度らしいので、そう考えると物足りないが、これが休日なら300万人ぐらいいったかも。
増田四段は気合入りまくり。
「藤井四段が勝ちすぎている現状があり“将棋界はぬるい所”と思われるのは悔しいです。負けられない対局なので力勝負に持ち込み、攻め勝つ心構えです」と語っていたからねえ。
AbemaTVの炎の7番勝負での敗戦について聞かれて、
――先生と対戦した将棋、観戦してましたけど終盤の▲9七玉にはびっくりしました。
「あれは・・・不覚でしたね。あんなに強くなっているとは思いませんでした」
――あ、以前にも対局したことがあったんですか?
「はい。藤井四段が三段になったときに一度。そのときは勝ちました。今回もまぁ勝てるだろうと思ってたんですが、自分の想像以上に強くなっていました」
と答えているし、負けん気バリバリ。
こうでなくっちや。
さて、朝の10時から将棋を見ていた。
先手は、藤井四段。 増田四段が長考するので、手が進まない。
しかし、強気の手を連発するので、目が離せない。
期待通り、緊迫した戦いとなった。
増田四段が角換わりを拒否して、雁木っぽい力将棋になった。
そこに、藤井四段が棒銀で果敢に攻め込む。
うまく切り返されて、飛車が詰まされる。
このスカスカの状態で、飛車を取られると、自分だったら、絶望的なんだが、プロ的には互角のようだ。
この数手後、どうやって攻めるんだろうと言う場面で、
▲7七桂と跳ねて、飛車に当ててどかした後、さらに6五桂と跳ねて、攻めの拠点を作る。
この構想が素晴らしかった。
この後、7五と1五に角を打って、攻め立てる。
藤井四段は角を使うのがうまいんだよねえ。 角は飛車に比べ、使いにくい印象があるんだが、急所に使ってくる。
それでもソフトの判断は、藤井四段劣勢だったみたい。
この▲5三桂打つで逆転したようだ。
最後、増田四段も素晴らしい粘りを見せるが、恐らく最善手で勝ち目を無くして、投了に追い込んだ。
緊迫した面白い将棋だった。 魅せるねえ。 そして強い。
これで、歴代一位の29連勝の新記録。 デビュー以来負けなし。 どんだけ凄いんだか。
まあ、これで新記録達成だから、しばらくフィーバーは収まりそうな気がするんだが。
しかし、将棋ファン的には、誰が連勝を止めるのかが面白い。
30戦目 竜王戦決勝T二回戦 対佐々木勇気五段
31戦目 竜王戦決勝T三回戦 対阿久津主税八段(30戦目に勝った場合)
32戦目 順位戦C級2組二回戦 対中田功七段
対阿久津戦が興味深い。
全然負けるかもしれないし、やってくれるかも知れない。
まあ、羽生3冠に完勝したことがあるから、十分やれるとは思うけど。
まだまだ、楽しめそうだ。