昭和の女優・原節子さんが95歳でお亡くなりになられた。まだ生きてらしたとは。

 昭和の女優・原節子さんが95歳でお亡くなりになられた。
とっくの昔に亡くなられたと思っていたので、このニュースを見て驚いた。

 小津安二郎の映画が好きで、見てたので、自分の年でも知っている。
大概の小津の映画に、主演女優で出てたから。
何の映画が最初だったか、多分、深夜にTVで見た「晩春」だったと思う。
いろいろ見たけど、「晩春」が小津の映画では、一番好きかな。
昔の日本らしい、たわいのないユーモアがあるし、父親の再婚話にいら立つ娘の話だけど、何の大げさな出来事もなく、たんたんと映像が撮られてるんだけど、しみじみといいんだな、これが。

 そういうわけで、小津好きになって、学生の頃かな、試験前だったけど、深夜の徹夜での3~4本立ての小津特集を映画館でやってて見に行ったことがある。
見に行ったら、ロマンポルノの映画館でびっくりした。
案外、客もいたような気がするなあ。
隣に座ってた若者に、自分も当時若者だけど、話しかけられた。
脚本の勉強をしてるって、言ってたなあ。
小津みたいな芸術映画より、山田洋次監督の『男はつらいよ』みたいのを好きだし、書きたいと言ってた。
見た映画の記憶はもう無くなってしまったけど、この兄ちゃんの話は、なぜか憶えている。
ロマンポルノの看板と共に。

 さて、原節子さん。
小津の映画は、ちょっといいとこの、普通の家庭の出来事を描いているから、派手な演技はない。
だから、お嬢さんのイメージが強いし、名女優という感じではないなあ。
好きだけどね。
世間は、美人女優の代名詞みたいに言っていて、「永遠の処女」とか呼ばれてたみたいだけど、そんなに美人かなと思う。
小津の映画で、若いころの若尾文子や岩下志麻が出てて、えっ、こんなに美人なのと驚いたもんだ。自分が若い頃は、彼女らはもう中年で、それでも美人だけど、昔はとびきり美人だった。
特に「浮草」の若尾文子は、水もしたたる美人で、見た時驚いたなあ。

 原節子さんは、小津安二郎に恋をしてそれが実らず、映画界を引退したという話もあるみたいだけど、どうなのかな。
まあ、とにかく、芸能界から完全に身を引いて、ひっそりと生きてらして、もうとっくにひっそりと亡くなられてたと思っていたけど、このニュースに触れて、ちょっと色々な事を思い出した。
お安らかに。

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