米国の金融支配。 それもどうなるのか。

 米国は国際通貨ドルで世界を支配している。
どうしてそうなったのか。
米国は1971年に金・ドルの交換を停止して(ニクソン・ショック)、変動相場制に移行した。
ドルの国際基軸通貨としての地位が危うくなったのだが、1973年の第1次オイルシヨック後、サウジアラビアに対し原油価格の引き上げを認める一方、あらゆる国が必要とする石油を ドルのみで取引する体制を構築してきた。
この結果、産油国は多額の石油輸出収入をドルで手に入れることになる。このドル収入が欧米の金融機関を経て米国へと還流し、巨額の貿易赤字など構造的な不均衡を抱えた米国経済を支えてきた。


OPECの原油収入とサウジアラビアの占有率の推移。

OPECの原油収入は、平均すると0.8兆ドルくらいか。 約100兆円。 日本の一般会計予算ぐらいか。
思ったより少ない。 日本の予算がデカすぎるのかもしれないが。
サウジアラビアの占有率はOPEC内で30%弱。 これだと、確かに発言権は一番になるだろうなあ。


ドル建て年間原油取引額と米銀預金に占める石油決済代金の割合の推移。

 ドルはニクソン・ショック後、ペーパーマネーとなったけど、石油の裏付けを得たことで 国際決済通貨としての信用を維持できた。
ドル建てである以上、その決済代金は最終的には必ず米国の銀行に持ち込まれるので、大手米銀は労せずして低コストの預金を得ることができた。
なるほど~。 これは、美味しい仕組みだな。
それに、これがあるから、米政府によるドル取引禁止の通達が、鬼の威力を発揮することになる。

米国は、2009年のリーマンショック直後から、金融緩和を実施して米国国内は勿論、世界中にドルをばらまいた。
本来なら、ドルの暴落が起こる所だが、世界の基軸通貨だから、そういうことは起こらない。
一方、日本は円高に苦しみながら、2013年、遅れること4年やっと金融緩和を実施して、為替を元に戻した。
この間、裏でどういう政治的力学が働いていたか、興味があるね。
米国の金に目がくらんだ連中が、勝手にサブプライムローンを組んで、失敗して、世界中に迷惑をかけたんだから、自ら責任を取れと思うんだけど、ジャイアンには逆らえない。
世界中の人間が苦々しく思うなか、


新興国の金準備量の推移。

リーマンショック後から、新興国は、外貨準備として米国国債より金を重視するようになったようだ。
ドイツなんかも金準備量を増やしている。
まあ、当然だな。
日本は相変わらず米国国債だけど。
日本も金に移行したいんだろうけど、米国が許してくれないんだろう。
日本は、米国国債の換金も出来ないという噂もあるけどね。 米国国債の利子でさえ、現金で受け取れず、その分で米国国債を買い増ししているという噂まである。

こう書いてくると、米国を胸糞悪く思うのだが、ロシアや中国よりマシなので、しょうがないかとも思ってしまう。
安全保障の高い対価だな。
日本も自国で十分防衛出来るようになったなら、気にしなくてもいいようになれるんだが。

今、この仕組みに風穴を開けようとしているのが、中国。
ロシアやイランからの原油購入を人民元建てで取引し始めた。
この風穴がここからどれだけ大きくなるのか?
それとも、米中貿易戦争で結局は閉じるのか?
どうなるのかな?

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コメント

  1. deefe より:

    中国が民主主義国だったらむちゃくちゃ強国になったかもしれないから、共産国でよかったのか悪かったのか?
    中華思想がある限りはどんな体制でもだめか