中国の外貨準備は世界で群を抜く規模で、1年前には約4兆ドルあったそうだ。
日本で1.2兆ドルだから凄まじい。
大半は米短期国債や米国債などのドル建て資産。
それが、中国人民銀行が人民元の下支えのために、7月と8月に1000億ドルに迫る外貨準備の売却に動き、8月末時点の外貨準備は3兆5570億ドルにまで減ったらしい。
米国・日本・EUと量的緩和を実施してきたが、この中国の外貨準備の売却は、資金の流出なので、「量的引き締め」をしていることになるそうだ(こちら)。
世界の流れと逆行している。
もっとも、多くの新興国も米国債を売却している。
通貨安を食い止めるために外準を使わざるを得なくなっている。
1997年のアジア通貨危機のトラウマで、新興国は結構外貨を貯めているらしい。
米国の利上げは、追い打ちをかけるかもしれないなあ。
ついでだから、人民元の為替レートの推移を調べてみた。
2008年からの人民元の為替レート
中国の経済成長で元高になっている。
2014年からの人民元の為替レート。
一転、元安。
8月11~13日の人民元の4.5%の切り下げが、イマイチぴんとこなかったが、このグラフで見ると、如何に急激で大きな物だったかがわかる。
円/ドルなら120円が125.4円になったことに相当する。
そりゃ、株価に影響を与えるわな。
コメント
これは事実ではないな。
中国は米国債を売って、その資金を上海市場の買い支えに走ったと言われている。
むしろ資金は国内に流入して「量的緩和」効果を得たハズ。
だが、それでも焼け石に水だったところに問題の根深さがある。
米国側からすると、米国債を一気に買い戻す羽目になったため、こちらにとっては予期せぬ「量的引き締め」を無理やりさせられてしまった。
中国によって「量的引き締め」を余儀なくされたわけだから面白いハズがない。
9月17日のFOMCでフェデラルファンズ・レートの利上げがされなかったら、この「量的引き締め」効果も少なからず影響を与えたことになる。
中国政府はその牽制の意味も込めて米国債を売ったのではないかと思うけどね。