この前やってたAbemaTVの「藤井聡太四段 炎の七番勝負」、藤井聡太四段は、増田康宏四段:勝ち、永瀬拓矢六段:負け、斎藤慎太郎七段:勝ち、中村太地七六段:勝ち、そしてベテラン深浦九段、佐藤康光九段、羽生3冠にも勝って、6勝1敗と圧倒した。
この後、羽生3冠にも勝ったこともあって、今、藤井聡太フィーバーが起こっている。
この時の最初の相手が、増田康宏四段だった。
その時の印象を「藤井聡太四段 炎の七番勝負第1局、増田四段への勝ち方がかっこよすぎる。」という記事に書いた。
この時まで、増田康宏四段について知らなかったんだが。
この時調べて、若手のかなりの有望株と知ったんだが、炎の七番勝負では、引き立て役に回ってしまった。
しかし、今振り返ってみると、永瀬拓矢六段に次いで、いい勝負をしていたことになる。
その増田康宏四段が本の発売を記念して受けたインタビュー、「驚愕必至!増田康宏四段インタビュー」に驚いたのなんの。
将棋ファンなら、一読をオススメする。
少し、引用させてもらうと、
Q5、得意戦法は?
「(少考して)銀冠穴熊です」
――そうなりますよね(笑)。他にはいかがでしょうか?
「最近だと、雁木です」
――が、雁木!?雁木ですか。
「はい。矢倉は終わりました」
矢倉は終わったって。
確かに先手矢倉に厳しい手が発見されて、苦境に陥っているけど、終わったって言うのは、大胆。
純文学は終わりましたと言うのに近い。
このスパッとした物言いにまず驚いた。
Q6、普段は指さないものの、興味のある戦法は?
「ないです」
――ないんですか(笑)。先生は振り飛車はまったく指されないんですか?
「奨励会に入る前は少し指してたんですが、師匠から居飛車を指すように言われまして、それからは居飛車しか指してません。2手目△8四歩なので、矢倉か角換わりだけですね」
ちょっと、師匠の森下卓九段は問題あるんじゃないか。
極端すぎる。
Q12、練習将棋やネット対局を含めて1週間に何局くらい指していますか?
「5局くらいですかね」
――研究会もされない?
「そうですね。行くのが面倒ですし」
――ん?と、なると誰と指しているんですか?
「コンピュータと指しています。今は『激指』とやっています」
ちょっと、これは心配になるなあ。
面倒って、あんた。
Q13、詰将棋はどれくらい解きますか?
「解かないです」
――解かない!? 解かないって、どういうことですか!ホントに、全く解かない?
「本当です。全く解きません」
――あまりの衝撃に倒れそうです。
「これ、言うと変な目で見られるんですけど、詰将棋、意味ないです」
――!!将棋界に激震が走りましたよ、今。なぜ詰将棋を解かないんですか?
「実戦に出てきませんから、詰将棋は。それなら実戦に出てきた詰み筋を学んだほうがためになります」
――確かにそういう考え方もありますか。しかし解いてないというのには驚きました。ちなみに、昔から解かないんですか?
「いや、小さい頃はめちゃくちゃ解いてました。でも三段のときくらいにやめて、それからは解いてないです」
――なるほど。それを聞いて少しだけ安心しました。
Q15、これまでで負けて一番悔しかった将棋は?
「AbemaTVの藤井四段戦です」
――注目された対局でしたからね。
「生まれて初めて年下に平手で負けました」
――なんと!そうなんですか。増田先生が19歳、藤井四段が15歳ですか。増田先生から見て藤井四段はどうですか?
「序盤がうまいです。普通若いと序盤は粗いとしたものなのに、しっかりしてます」
――先生と対戦した将棋、観戦してましたけど終盤の▲9七玉にはびっくりしました。
「あれは・・・不覚でしたね。あんなに強くなっているとは思いませんでした」
――あ、以前にも対局したことがあったんですか?
「はい。藤井四段が三段になったときに一度。そのときは勝ちました。今回もまぁ勝てるだろうと思ってたんですが、自分の想像以上に強くなっていました」
――炎の七番勝負は終わってみれば6勝1敗で羽生先生にも勝ったわけですからすごいですよね。
「ただ、今回は対局相手の皆さんが様子を見ていた、というか引いていた部分はあったと思います。羽生先生も仕掛けられて一方的に悪くなってしまい、公式戦では見られないような負け方をされていました。そういう意味でも勝負はこれからです」
Q22、ストレス解消法は?
「そもそもストレスがたまらないです」
Q27、趣味は?
「ピアノです」
――ピアノですか!
「習ってたんですよ。小学生の頃から」
――今でも弾くんですか?
「たまに弾きますけど、だいぶ腕は落ちました。熱心にやっていたときはコンクールで入賞したりもしていたんですが」
いや~、実に個性的な棋士だなあ。
棋士は個性的な人が多いけど、これまた別格のような気がする。
思っていることをハッキリ言うから面白いし、自信もあるんだろうね。
藤井聡太四段への対抗意識がハッキリ出ている所が面白い。
こうじゃなくっちゃ。
これから若手の群雄割拠の時代もしくは藤井聡太の時代がやってくるのを予感させるなあ。
増田康宏四段も楽しみだ。
天才肌だね。
ちょっと極端すぎるのが心配だが、それも天才の証なのかもしれない。