藤井聡太四段 炎の七番勝負第1局、増田四段への勝ち方がかっこよすぎる。

 AbemaTVが「藤井聡太四段 炎の七番勝負」という無理筋の煽り企画を立ててきた。
史上最年少、史上5番目の中学生棋士、藤井聡太四段が、実力派棋士と七番勝負するという企画。

第1戦(3月12日):対 増田康宏四段
第2戦(3月19日):対 永瀬拓矢六段
第3戦(3月26日):対 斎藤慎太郎七段
第4戦(4月2日):対 中村太地六段
第5戦(4月9日):対 深浦康市九段
第6戦(4月16日):対 佐藤康光九段
第7戦(4月23日):対 羽生善治三冠

 いくら何でも、棋士なりたてでは、無理だろう、7戦全敗するんじゃないかと思っていた。
増田四段も中学生棋士になるんじゃないかと予想されていた有望株で、新人王で、まだ19歳の新鋭。
永瀬六段と太地六段は、タイトル挑戦経験者、斎藤慎太郎七段は、勝率一位賞を取った若手。
根性の深浦九段、会長・康光九段、史上最強の羽生三冠とベテランも個性を併せ持つ実力派。
私心気鋭の若手達4人とベテラン実力派3人との七番勝負って、無理筋だろう、若手を潰す企画か。

 なので、すっかり忘れていたのだが、ネットで凄い勝ち方をしたという話を読んで、しまったと思ったら、まだ無料でオンデマンド視聴できた (視聴期限:2017年3月20日(月)21:50)(こちら)。
やるね、AbemaTV。

 解説が師匠の杉本昌隆七段。
わかりやすい解説だった。
さて、藤井四段の先手で角換わりの将棋で、じりじりした将棋になった。
藤井四段が端攻めをみせた所で、増田四段が機敏に仕掛け、攻め崩したかに見えたが、▲9七玉と王手を交わして上に出た手が、素晴らしい勝負手で、敗勢が一挙に優勢に変わった。
杉本七段、「やったか」「雰囲気で凄い勝負手を放つ動きだった」とコメント。
そして、最後の端攻めからの長手数の詰めも凄かった。
どこから攻め手をみせるのかと思っていたら、▲1二歩の垂らしが速いのか。
▲1二香辺りで詰みを読み切ってた雰囲気だった。
若いから、指し手が早くなる。
鮮やかな詰めだった。
さすが、詰将棋選手権2連覇、しかも次元が違う勝ち方らしいから、噂通り、というか噂以上だ。
まだ1試合しか見てないのになんだが、羽生・渡辺に並ぶ将棋界3本の指に入る終盤力だと思う。
ちょっと言いすぎか。 けど、そういう匂いがプンプンするんだなあ。

 う~ん、凄い将棋を見た。
鮮やかな勝負手▲9七玉と長手数の詰め、魅せる将棋だよ。
羽生さんがデビューして3年目NHK杯で加藤一二三九段を破った伝説の将棋を思い出したよ。
あの時は、米長会長が名解説でさんざん煽っていたからなあ。
師匠の杉本七段だから、煽りはしないんだけど、いい解説だった。

 この終盤力があれば、そこそこやれそうだ。
勿論、簡単に勝てるほど、甘くはないし、普通に考えれば、負けるだろう。
しかし、もってるんだなあ。
この大事な七番勝負第1局を勝った。 しかも魅せる将棋で。
羽生さんも、NHK杯戦で大山康晴、加藤一二三、谷川浩司、中原誠(決勝)と、当時現役の名人経験者4人をすべて破るという、まるで作った舞台設定のような勝ち上がりで優勝した。
もってる人間は、常識外れのことをやってしまう。
これは、公式戦じゃないからなんだけど、将棋ファンなら絶対見るよ。
勝ち続ければ勝ち続けるほど、うなぎ上りの視聴率になりそうだ。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
「関連コンテンツとスポンサーリンク」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする