羽生王座に佐藤天彦八段が挑戦する第63期王座戦、2-2のタイで迎えた第5戦が行われた。
第4戦までの経緯はこちらに書いた。
あっさり勝負がつけば佐藤天、熱戦になれば羽生の勝ちという感じ。
羽生先手となったので、予想通り、横歩取りの闘いとなった。
今まで、横歩取りは、1勝1敗の五分。
定石型だと不利と判断したのだろう、序盤で▲7七角と珍しい形にした。
それに対して、佐藤天は端攻めで優位に進める。
相手に攻め込ませるような45手目▲8六歩が奇手。
この手が良かったんだか、悪かったんだか。 悪かったように思えるんだけど。
ポイントとなったのは、この局面。
後手、△2六香だったけれど、△2六角なら守りにも利くので、後手有利だったのでは、という見解のようだ。
この後の羽生王座の攻めが見事で、防戦一方に追い込んで、投了に追い込んだ。
途中で、もう読み切ったような雰囲気が出てて、羽生勝ちを確信した。
それにしても、羽生名人のここという対局での勝負さは、ピカイチ。
対抗できているのは、渡辺棋王と森内九段だけだなあ。
これで、2年連続4冠防衛、タイトル防衛戦12連勝、全タイトル獲得数は94期となった。
圧倒的。
ただ、若手と際どい戦いが多くなったような気がする。
特に、研究家の若手に負けている。
ただ、羽生にタイトル挑戦した若手は、皆潰されてるのも事実。
皆、その後伸び悩んでいるからなあ。