あべのハルカス美術館 で、「生誕140年 YUMEJI展 大正浪漫と新しい世界」を見てきた。
大正浪漫の象徴であり、「夢二式美人」で一世を風靡した竹久夢二(1884-1934)は、絵画だけでなく雑誌や楽譜、本の装幀、日用品のデザインなど多岐にわたるジャンルで活躍した。
本展は、夢二郷土美術館が所蔵する選りすぐりのコレクションを中心に、最新の研究に基づく新たな視点から選んだ作品や資料約180点により、夢二の画業と魅力をご紹介するもの、とのこと。
夢二は似たような絵しか描けない画家という認識で評価してなかったが、最近日曜美術館で見て、社会を意識した活動をしていて、晩年渡米してさらなる飛躍を図っていたことを知り、興味を持ったので、見に行くことにした。
★ 夢二「林檎」
初期の作品。 初期から変わらないんだな。
初期の作品で「故郷の秋」という絵があって、これがなかなか良かった。
お城のお堀が枯れた睡蓮の茶色の葉で埋まっていて、そこが印象的だった。
★ 夢二「女」
★ 夢二「アマリリス」
アマリリスが女の髪飾りのように描かれている。 それが面白い。 そういう所は、デザイン的発想なのかもしれない。
手がやけに大きい。
★ 夢二「秋のいこい」
関東大震災直後の絵らしい。 大きな荷物は、それを暗示しているらしい。
★ 夢二「西海岸の裸婦」
ベッドの縞模様の線に平行に裸婦の体の線を描いているのが、面白い工夫だけど、珍しい話でもないからなあ。
ただ、西洋女性を描いても、どことなく夢二調になるから面白い。
★ 夢二「立田姫」
この絵が集大成らしいのだが、ダメだろ、これは。
同じく晩年の「水竹居」とか「日本の夜」とかは、着物の青や緑とバックの黒い線との対比が鮮やかで、良かったけど。
見終えて、やっぱし夢二は似たような女性の絵しか描けなかったんだな、と思った。
モディリアーニみたいなものかとも思ったが、モディリアーニは似たような描き方をしても、女性を描き分けてるからなあ、違うな。
まあ、評価は変わらずという感じかな。 デザインの画家なのかな。
美術館の外のテラスから見た靄で霞んだ二上山・葛城山・金剛山の山並み。
ここからの展望はなかなかいいよ。