大阪中之島美術館で、「テート美術館展 光」を見てきた。
本展は、英国・テート美術館のコレクションより「光」をテーマに作品を厳選し、18世紀末から現代までの約200年間におよぶアーティストたちの独創的な創作の軌跡に注目する企画です、とのこと。
★ ジョージ・リッチモンド「光の創造」
ウィリアム・ブレイクかと思った。 こりゃあ、まねしだな。 ただ、ブレイクより洗練されている。 荒々しさがなくなってるけど。
★ ウィリアム・ブレイク「アダムを裁く神」
本家のブレイク。 荒々しさが強い絵。 訴えてくるものがあある。
★ ウィリアム・ブレイク「善の天使と悪の天使」
こっちは、あんまり好きじゃない。 凡庸なブレイクという感じ。
★ ジョン・マーティン「ポンペイとヘルクラネウムの崩壊」
絵としては大したことないけど、凄く劇的だね。
★ ジョン・ヤング=ハンター「私の妻の庭」
ラファエル前派の影響が色濃く見られる作とのこと。
★ ジョン・エヴァレット・ミレイ「露に濡れたハリエニシダ」
ラファエル前派のミレイの絵。 「オフィーリア」の絵で有名な画家。
ラファエル前派では、一番優れた画家だと思う。
この絵は、2008年の「ジョン・エヴァレット・ミレイ展 Bunkamuraザ・ミュージアム」で見てるね。
今回見ても、とても良かった。 本展での一番の絵だね。
森の美しさを描いた幻想的な絵。
★ ターナー「陰と闇――大洪水の夕べ」
この絵が今回のターナーの絵では、一番良かったかな。
何を描いているのか?判然としないけど、まだ具象からは離れていない。
黒と薄黄色の対比が美しい。
★ ターナー「湖に沈む夕日」
薄汚れた壁に見えなくもないけど、光をはらんだ大気を描きたかったんだろうね。
行きつくところまで行った感じの絵だね。
★ クロード・モネ「エプト川のポプラ並木」
光と言えば、印象は。 モネはその代表する画家。
この絵は、モネにしては平板な絵でダメだね。
★ ジョン・ブレット「ドーセットシャーの崖から見るイギリス海峡」
まずまずかな。
★ アルマン・ギヨマン「モレ=シュル=ロワン」
後期印象派になるのかな? 自然の色から離れ、派手な色使いになっている。
★ ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内」
ハマスホイは、一度まとめて見てみたいと思っている画家。 東京では展覧会があったみたいだけど。
この静謐さ。 少しフェルメールを思わせる所があるけど、シンプルな絵だね。
★ ヴィルヘルム・ハマスホイ「室内、床に映る陽光」
こちらの絵の方が好きだな。
床に映る陽光が、冬の陽光のほの暖かさを感じさせ、絶品だね。 ドアが傾いているんだけど、どういう意図なのかな?
がっちし、し過ぎると、良くないのかな。
★ ワシリー・カンディンスキー「スウィング」
イマイチかな。
★ 草間彌生「去ってゆく冬」
小型のミラールームの作品で、中を覗き込むと、鑑賞する自分と周りの景色とが映り込んでくる。 それが、万華鏡のようにリピートされていて、とても面白い。 4面どこから覗いても、他の少しパターンを変えていて、飽きることがない。 草間彌生が、こんなメカニックな作品を作っていることに驚いたなあ。 自分の幻想ばかり描いたり、作ったりしていると思っていたのに。
光をテーマにした展覧会。 こういう何かをテーマにした展覧会はいいねえ。
企画者の腕が問われる。 この展覧会は当たりだった。
近くのバス停まで、土佐堀川沿いを歩く。