京都市美術館でモネ展を見てきた。
モネ(1840-1926)は、86歳で亡くなるまで手元に多くの作品を残し、これらの作品は、マルモッタン美術館に遺贈されました。
本展はこのモネ・コレクションを中心に約90点を紹介します、とのこと。
モネは大好きな画家である。
過去に何度かモネ展を見た記憶がある。
最初のモネ展が思い出せないので、ネットで調べてみた。
1982年に京都国立近代美術館でモネ展が開催されている。
これが、その時の図録のようだ。
なんとなく、この図録に見覚えがあるので、間違いないだろう。
34年も前の大昔なのだが。
最近では、2007年に国立新美術館でモネ展を見た。
その他の展覧会でも、数多くのモネの絵を見てきたのだが、それでも見に行こうという気になる。
今回の展覧会は、モネ特有の光り輝くような絵は少なかったかな。
・収集家としてのモネのコーナー
点描画家のポール・シニャックの水彩が4点もあった。
モネも注目してたんだ。
★「ヨット、夕暮れの効果」
レモン色の海にポツンとヨットが浮いている。
妙に寂寥感を誘われる。
★「睡蓮」
強烈な夕焼け色に眼が慣れると、睡蓮が水から浮かび上がって見えてくる。
★「睡蓮」 1917-1919
最晩年の色を塗りたくったような絵を描く前の過渡期。
写実を離れ、色のタッチのみで成り立っている。
それでも、さすが、美しいと思わせる物がある。
そして最晩年のコーナー。
《バラの小道、ジヴェルニー》1920-22年
《日本の橋》1918-19年
34年前、これらのような色を塗りたくったような絵を見て、なんだ、これは?と思った。
今でもそれは変わらない。
なぜ光り輝く美しい絵がこんなことになるのかと。
晩年、モネは、失明の恐怖と闘っていた。
1912年に白内障と診断され、視力が衰えたため1923年には3回の手術を受けたそうだ。
当然、このことが、影響を与えているだろう。
ただこのような絵が、衰えた視力の影響なのか、光を描くことを、うつろいゆく景色を描くことを追求した先に見つけた前衛なのかは、自分にはわからない。
数多くの絵を見てきた今でも、34年前と変わらず、美しく見えないし、謎だ。