京都市美術館で生誕300年 「若冲の京都 KYOTOの若冲」を見てきた。
『若冲ブーム』の火付け役となった美術史家の狩野博幸氏の監修により、企画構成された100点以上の作品で、
若冲の魅力を存分に伝える、京都ならではの展覧会です、とのこと。
★「群鶏図障壁画」海宝寺旧蔵
本展での鶏図では、ピカイチだね。
画面から漂ってくる雰囲気が違う。
★「竹に雄鶏図」
簡略なタッチの鶏図の中では、一番かな。
今回、鶏や鯉の図がたくさんあったけど、集めやすい物を掻き集めたという感じで、残念だったな。
2000年の《没後200年 若冲》を見て感動した者としては。
狩野博幸氏はやっつけ仕事をやっちまった。
大作は、期別展示だし。
★「芦に鵜図」
若冲には、写生を離れた抽象的とも言える線が描かれることがあるのだが、この作品では、岩と草と苔がうまく表現されていて、感心した。
★「百犬図」 個人蔵
リズム感があって、素晴らしいのだが、ふとこの犬種はなんなのだろう、と思った。
この三毛猫みたいな色取り取りの犬っているかな?
中国にもいないと思うが、想像上の唐風の犬なのだろう。
★「樹花鳥獣図屏風」 静岡県立美術館蔵
2000年の《没後200年 若冲》で、この絵とプライス・コレクション蔵の伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」の両方見たんだけど、初めて見たときは、度肝を抜かれたなあ。
風呂屋にある色タイルを貼ってつくったような、モザイク壁画のような絵で、江戸時代から現代にすっ飛んだような衝撃を受けた。江戸時代にこんな絵がかけるなんて、ぶっ飛んでいるとしかいいようがない。こんな変な技法を用いていても、絵として良いところが凄いと思った。という感想を当時抱いていた。
今回冷静に見ていると、動物が大勢いる向こうに湖が広がっているのに気付いた。
川か海の可能性もあるが。
青い背景みたいに感じていたのだろう。
若冲の理想郷なのかな。