兵庫県立美術館で「怖い絵」展を見てきた。
話題となったドイツ文学者・中野京子氏著作の『怖い絵』で取り上げた作品を筆頭に、ヨーロッパ絵画の中から「恐怖」を主題とする油彩画と版画の傑作を選び出し、神話、怪物、異界、現実、風景、歴史といったキーワードに沿って展示した展覧会。
怖いといっても、見て怖い絵は少ない。
背景となる物語を知って、怖くなる。
絵に解説パネルが付いているのだが、字が小さいし見にくい書体で書かれている。
これで一気に厭になった。 学芸員の配慮のなさが低レベル。 がっかりだ。
もう解説パネルを読むのを辞めて、絵だけを見ていく。
絵も低レベルだ。
普通の展覧会なら一瞥して通り過ぎて行く、そんなレベルだ。
それでも、ジョージ・フレデリック・ワッツの「黙示録の四騎士」の2枚の絵が重厚でいい絵だった。
ゴヤの戦争の版画は図抜けている。
何度か見ているので、驚かないが。 初めて見たら、釘付けだろうね。
ムンクも、これらの絵の中で本物だと感じる。 単なる怪奇趣味ではない、自分の中に恐怖を抱えた人間であることがわかる。「別離Ⅱ」とか「森へ」とか。
「森へ」は、日本の版画の感じがする。
男が裸の女を支えながら、森の暗がりへ向かって歩いている。 雰囲気が出ている。
ルドンの絵も、これらの絵の中に混じると、本物だなと思ってしまう。
アンソールも