京都国立博物館で「禅」展 ー心をかたちにー を見てきた。
およそ1500年前、菩提達磨(ぼだいだるま)によってインドから中国へ伝えられたとされる禅宗は、その一派である臨済宗・黄檗宗の宗祖、臨済義玄(りんざいぎげん)(?~866)によって広がり、我が国には鎌倉時代にもたらされた。
本展は、臨済義玄の没後1150年、さらに日本における臨済宗中興の祖である白隠慧鶴(はくいんえかく)(1686~1768)の没後250年の遠諱を記念して開催します。
国宝19件、重要文化財103件を含む226件の名宝の数々を展観します、とのこと。
さすが京博、「禅」というテーマで集めた絵画と木像の数々は見ごたえがあった。
僧を含めた肖像画が多かったけど、水墨画の名品も展示されていた。
本館は改修中で、平成知新館での展示。
だからか、展示品は前期と後期にはっきりと分けられたようだ。
楽しみにしていた雪舟の「慧可断臂図」は、後期展示だった。 残念。
★六祖截竹図 梁楷筆
水墨画らしい気品ある画。
★臨済義玄像 一休宗純賛 伝曾我蛇足筆
迫力ある顔。
久しぶりにこういう厳しい顔を見た。
すっとする。
★伽藍神立像 一軀 鎌倉時代 十三世紀 奈良国立博物館
簡素だけど、走る神の姿を見事に捉えた木像。
★釈迦三尊像 三幅 中国・元時代 十四世紀 京都・東福寺
釈迦があまりに人間的。 力強い衣紋線。
菩薩があまりに女性的な男性になっていて、それが絶妙。
日本人の描く画では、ないね。
最後の水墨画のコーナーが素晴らしかった。
★瓢鮎図 大巧如拙筆
顔が小さく描かれていて、ないようにも見え、違和感を感じてしまう。
拡大図を見ると、確かに描かれているのだが。
国宝なんだけど、まあという感じ。
★秋冬山水図 雪舟等楊筆
以前、雪舟展でも見た。
突然現れる、全く違和感を感じさせない、縦の崖の線。
凄い。
★呂洞賓図 雪村周継筆
この絵も以前確か、大和文華館で見た。
その時、じっくり見て、雪村一番の絵と思ったのだが、見すぎたためか、今回はさほど。
★旧養徳院方丈障壁画のうち 芦雁図 月船宗継筆
実にやわらかみのある線で雁が描かれている。
こんなふっくらした雁の絵を見たのは、初めて。
★大仙院方丈障壁画のうち 四季花鳥図 狩野元信筆
襖でもない屏風でもない、掛け軸の8幅対。 珍しい。
実に端正なのだが、イマイチ気韻に欠けるような気がする。
★天授庵方丈障壁画のうち 祖師図 長谷川等伯筆
余白たっぷりで雰囲気のある水墨画。
しかし、下手糞な雪舟風の岩、童子がマンガみたい。
でも、左上に描かれた枝が、あまりに斬新。
なんだこれは、と板を見たら、長谷川等伯と。
驚いた。 下手と凄さが同居している。
★鹿苑寺大書院障壁画のうち 竹図 伊藤若冲筆
さすが、若冲としか、言いようがない。
大きすぎる竹の節、長くない三角の竹の葉、写生とはかけ離れているけど、竹林の雰囲気が出てる素晴らしい絵。
インパクトのある白隠の有名な達磨像も展示されていたが、そちらは見すぎているので、素晴らしいのだが、感動はそこまでない。
この絵は、後期展示なのだが、ショップで見て、思わず買ってしまった。
普通にこれだけいい絵が描けるなんて。
話は変わるが、駐車場の料金が200円/20分から300円/20分に高くなっていた。
1時間無料は同じだが。
これは、ぼったくりすぎだろう。
停めた時、えらく駐車場が空いているなと思ったんだけど。
今回は、じっくり見すぎたのか、3時間半ぐらいいたみたいで、2400円もかかって、びっくらこいた。
許せん。
これなら、他の駐車場を利用したよ。
200円/20分に戻すか、1時間半無料にすべきだ。