《リュートを調弦する女》 「中庭の女」
フェルメール展 -光の天才画家とデルフトの巨匠たち-を見に東京都美術館に行った。東京出張で、いい機会だった。2000年の大阪市美術館のフェルメール展 以来である。この時は、フェルメールの絵は、5点、その中に有名な「青いターバンの少女(真珠の首飾りの少女)」があった。今回は、7点である。といっても、フェルメールの絵をそれほど好きなわけではない。確かにしっとりとした美しさがあり、室内にしみわたる光が絶妙ではある。しかし、そのことがそれほど深い感銘を与えるわけではない。今回駄作が多かったが、《リュートを調弦する女》(写真)は、素晴らしかった。窓辺で一人の女性がリュートを抱いている。窓から入ってくる光が、女性の顔と壁をしみわたるように照らしている。後ろの壁に掛かっている地図が構図的に素晴らしい。これには、見入ってしまう。エサイアス・バウルスの「中庭の女」(写真)が良かった。レンガ壁に黒い窓、アクセントとして、真っ赤なタオルが柵に懸けられている。色面処理が良く、近代的な印象を与える。写真では、その良さが出ていないが。他は良くない。いい作品は少なかった。