ロシア・ワールドカップ（Ｗ杯）アジア最終予選、日本は強敵オーストラリアと対戦した。 勝てば６大会連続６度目のＷ杯出場が決まる。
先発メンバーは、
これには、驚いた。
中盤を逆三角形にして、インナーに井手口と山口蛍を起用してきた。
前にボール奪取力に優れた二人を置いて、ショートカウンターを喰らわすシステムだ。
ガンバ長谷川監督が、シーズン序盤、インナーに今野と井手口を置いて旋風を起こしたシステムだ。
その新しさにハリルホジッチも惹かれていたんだろう。 こだわってきた。
UAE戦は、今野と香川だった。 今回、井手口はいいけど、山口蛍は守備専門の選手なので、驚いたのだ。
左ウィングに乾を使ってきた。 守備が心配だったのだが、前に井手口がいるので、問題ない。 それも考えた起用だろう。 素晴らしく考えられたシステムだった。 さすがハリルホジッチだ。
日本は、後ろから繋いでくるオーストラリアに対して、前からプレッシャーをかける。
Jリーグ屈指のボール奪取力を誇る井手口と山口蛍がプレスをかけるのだ。 攻撃的MFのプレスとは物が違う。
大きなプレーだったと思うのは、井手口が相手GKへのバックパスを追いかけ、相手GKが蹴ったボールがサイドを割ったプレーがあった。 GKは以降ストレスを感じていたと思う。 GKのキックが不安定になった。 それでチャンスが生まれてたりしていたからね。
日本は、前半押していたが、点は入らない。 押している内に取りたいなと思っていた矢先の前半41分、 長友が左サイドで内へ切り返して、右足でクロスを入れると、タイミングよく裏に抜け出した浅野がゴール前で合わせて、シュート。 ゴールが決まって先制する。 とても落ち着いて決めたゴールだった。 浅野の精神的成長を感じたシュートだった。
このまま前半終了。
そうそう、CKを井手口が蹴ったのには驚いた。 ガンバでも遠藤の代わりに蹴るようになってるから、いいボールを蹴るんだが、それでも、優れたキッカーの数多くいる日本代表でだからね。 井手口の特徴は、速いボールだ。 勢いがあるから触れば入る可能性がある。 高さのあるオーストラリアに動く余裕の与えないボールだ。 点は入らなかったけど、可能性は感じるボールだった。 8本くらい蹴ってたけど、疲れ知らずだね。凄いよ。
後半、オーストラリアも攻めに出てくる。
ゴール前で、ごちゃごちゃっとするピンチもあったが、決定的なピンチはあまり作らせなかった。
オーストラリアはいつハイボールで攻めてくるかと思ったけど、最後まで繋いできた。
そして、日本は最後まで前からプレスを掛け続けた。
後半31分、乾に代えて原口投入。 さらにプレスがアップ。
後半32分、原口が左サイドで持ち出して、グラウンダーのクロス、少し後ろだったが、井手口がうまくトラップして、冷静にシュートを放つが、DFに当たってGKにキャッチされてしまう。 決まったあ、ヒーロー誕生かと思ったんだが。
しかし、そのすぐ後の後半37分、原口がパスを出すと、左サイドで井手口が受けてドリブルを仕掛ける。相手DFを交わしながらペナルティエリア手前中央に持ち込んで、右足を振り抜いた。 鋭いミドルシュートがゴールに突き刺さった。 思わず、井手口～と叫んだよ。 パスを出すかと思ったんだが、得意でもないドリブルで持ち込んで、狙ってくるとは。 その思い切りの良さと精神力。 凄いよ、井手口は。
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これで、決まった。 このまま、試合終了。
ついにワールドカップへの切符を勝ち取った。
コンフェデレーションズ杯でチリやドイツに健闘して強くなっていたオーストラリアを完封した。
凄いよ。 おめでとう。
さて、第一の勝因は、何と言ってもハリルホジッチの采配だろう。
策士だよ。 そして、大胆。 ボスニア内戦を生き抜いてきただけのことはある。
解任しろとか言っていた阿呆達には、ざま～みろと言いたい。
若干21歳の井手口をCKを含む大抜擢をしたこと。 山口蛍をインナーとして使ったこと。
これは、並みの監督には出来ないことだよ。
秋田が会見でDFにベテランが少なくて大丈夫ですかと質問していたが、ハリルは、日本人は若手を使う積極性に欠ける文化があると答えていたのを思い出す。 肝に銘じておけよ。
そして、最後まで、守りに入らず、前からプレスを掛け続けた。 徹底していた。
インナーが、井手口と山口蛍なので、点が入りづらいかとも思っていたんだが、井手口が凄かったね。
今まで見てきた試合の中で、井手口は最高のプレーをしたよ。 オリンピック代表に選ばれ出す頃から、井手口を使え～使え～と言って来たんだが、それだけに嬉しいよ。
デビューした頃は、運動量とボール奪取力が売りの選手だったんだが、それらに磨きをかけると共に、パスもうまくなっていった。 今日なんて、ボールを受けて、相手が近くにいても、すぐに蹴りだすんではなく、落ち着いてトラップしてから、パスを出してたからね。 遠藤バリの落ち着き。 乾と同じくらい日本で一番落ち着いていたよ。 おお～と思って見ていた。 今日は神がかっていた。 後半の後半、右サイドにロングキックのパスを通す場面が２，３度あったけど、凄いなあ。 相手DFに囲まれながら、相手裏へ浅野へ通そうとしたパスも素晴らしかったしね。 GKに取られたけど。
今日の井手口は、山口蛍以上の守備力と柴崎岳の攻撃力を兼ね備えたプレーをした。 鬼に金棒だろう。
凄いミドルシュートも決めたし。
ガンバの最高傑作と言えば、家長、宇佐美と言われてきたが、井手口だな。 恐るべし、井手口。