コロナウィルスは弱毒化しているのか?

 コロナウィルスの感染者数が、前回ピークを越えている。


日本の1日の感染者数、退院者数(その日を含む過去7日分の平均)

前回のような緊急事態宣言をしていないので、これからもっと増えるだろう。
しかし、パニックになってないのは、死者数が異常に少ないから。
1日1人レベルだからだ。
ガンでの死亡は、1日1000人レベルなので、遥かに少ない。
それなら、さほど気にすることもあるまいということになる。

問題は、医療崩壊だろう。

日本の1日の感染者数(その日を含む過去7日分の平均)、入院治療を要する者(累積)

入院治療を要する者は、5/8よりデータソース変更により約半分になって、比較が難しくなっているが、前回のピークと比較するなら、単純に2倍すればいいだろう。 
となると、現在の入院治療を要する者(累積)は、前回の8000人相当。
感染者数に対する入院治療を要する者(累積)の割合は、同レベルとういう感じ。
だから、死にはしないけど、入院治療は必要だから、病院への負担はまだ大きい。
しかし、重傷者数(累積)となると、前回ピークは300人ぐらいだったのが、今は60人ぐらいだ。
5分の一に減っている。

ちなみに、都市では、

東京と大阪の1日の感染者数(その日を含む過去7日分の平均)

東京と大阪は、既に前回ピークを越えた。
大阪も一時は、0人になったのに、一挙に増加したな。

今、コロナウィルス弱毒化説が出始めている。
イタリアで患者の治療に当たったサンマルティノ病院の感染症部門の医長マテオ・バセッティ教授が、
「ウイルスは劇的に変異したというのが私の印象だ。3月から4月始めにかけての状況は今とは全く違った。緊急治療室に運ばれてくる患者の容態は極めて重く酸素吸入が必要で、肺炎を発症しているものも少なくなかった。それが今は、この4週間を見る限りでは、患者の症状は極めて軽症に変わった。呼吸器官内のウイルスによる負荷が軽減されたと考えられる。恐らくはウイルス自身の突然変異の結果と考えられるが、これはまだ疫学的に証明されたわけではない。
3月、4月頃のウイルスはどう猛な虎のような存在だったが、今はヤマネコみたいだ。最近は80歳、90歳の患者もベッドから身を起こして機器の助けなしに呼吸をしている。かつて高齢の患者は、2~3日で死亡していたのに」
と語っている。

どう猛な虎が、今はヤマネコに変わったと。

これは、当たっているような気がする。

分子古生物学者の人が書いている(こちら)。

「それでは最後に、ウイルスの感染拡大の防止について、進化の側面から考えてみよう。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大が、世界中で深刻化しつつある。この感染拡大を抑えるために、水際対策や大規模な集会の禁止などの対策が取られてきた。おそらく、これらの対策には一定の効果があり、感染が広がるスピードが抑えられたと考えられる。
しかし、スピードは抑えられても、感染自体はゆっくりと広がり続けている。そのため、こんな意見を耳にするようになった。
「どうせ最終的にはウイルスが広がってしまうのであれば、感染拡大を防ごうとする努力なんか無駄ではないのか」
いや、そんなことはないのである。感染症の拡大が遅くなれば収束も遅れるけれど、一定の期間で区切って考えれば、患者の数は少なくなる。そのため、医療機関がパンクすることを防ぐ意味がある。しかも、それだけではない。

毒性の強いウイルスは、短期間の間に感染した人を殺してしまうので、素早く別の人に再感染しなければならない。そうでなければ、感染した人が死ぬときに、体内のウイルスも消滅してしまうので、そのウイルスの系統は途絶えてしまうからだ。
一方、毒性の弱いウイルスは、感染した人を殺さないし、もし殺すとしても長い時間がかかる。そのため、人から人へ感染するペースが遅くても、その系統はなかなか途絶えない。
つまり、感染するペースを遅くすればするほど、毒性の強いウイルスの系統は途絶えやすくなり、ウイルスは弱毒化に向かって進化する可能性が高いのだ。ウイルスの進化はかなり速いので、実際に1〜2年で弱毒化した例もある。感染拡大を防ぐ対策は、ウイルスを弱毒化して、死亡者を減らす効果があるのだ。」

生物の進化の理論から言えば、ウィルスの弱毒化は、必然と言える。
生物には、突然変異があり、その中で環境に適した者が多く生き残る。
ウィルスは、突然変異の頻度が高い。 そして、弱毒化したウィルスは人間の中で生き残りやすいという環境に適した存在になる。 だから、ウィルスの弱毒化は必然なのだ。
勿論、強毒化する変異もある。 しかし、そのウィルスは多く生き残れず、いずれ弱毒化したウィルスにとって変わられる。

以前のヨーロッパのウィルスは、中国から来た後、強毒化したのだろう。
そして、ヨーロッパからの帰国者がそれを日本に広めた。
緊急事態宣言によって、その強毒化したウィルスを抑え込んだので、今度は弱毒化したウィルスが今広がっているのかな。

スイスは、感染抑制に成功した国。 その現状が、

スイスの感染者数の推移。

スイスは、10人レベルまで感染者数を抑え込むのに成功したけど、今は100人にまで増えてしまっている。

しかし、

スイスの感染死者数の推移。

一方、感染死者数は、ゼロレベルのままだ。
ヨーロッパでもウィルスの弱毒化が起こったと考えていいと思う。

ただ、世界中で色々な変異が起こっているだろう。
一度もロックダウン等の対策を行っていない国では、強毒化したウィルスが生き残り続けられる余地がある。
そういう国からウィルスが持ち込まれれるのを防ぐことは、大事になるのかな。

それと、弱毒化したウィルスは、感染力も高めたような気がする。
症状が出ないという形で。

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