天敵?永瀬六段が羽生棋聖に挑戦決定。

 4/28日、挑戦者決定戦で、永瀬六段が村山七段を破って、羽生棋聖に挑戦を決めた。
永瀬六段は、23歳のチョウ若手だ。
注目なのは、今まで羽生名人と3度対戦して、3勝負けなしという相性の良さだ。
羽生名人に3連勝なら、相性というより実力があるということなんだろうけど。
羽生名人が負け越しているのは、3戦以上戦って、渡辺2冠の32勝34敗と永瀬拓矢の0勝3敗、小倉久史の1勝2敗、淡路仁茂の1勝2敗だけだ。 小倉と淡路は、若かりし頃の対戦のみで、言わば勝ち逃げされたので除外していいだろう。
なので、相当面白い戦いが期待できる。

 永瀬六段は、受け将棋だ。
佐藤康光九段とのNHK杯戦の対局では史上初の千日手2回による再指し直しで破ったことがある。
千日手だと自分が有利になるという自信があるようで、粘り強い精神力があって、受けることを厭わない、個性派棋士だ。
そして、コメントを見てると、どこかふてぶてしいと言うか、気概を感じる。

 永瀬六段は、2004年奨励会入会組で、他に菅井竜也七段、澤田真吾六段、斎藤慎太郎六段、佐々木勇気五段、竹内雄悟四段、石井健太郎四段、三枚堂達也四段がいる。
このメンツはなかなかだ。
特に、菅井竜也七段と石井健太郎四段が自分的には注目かな。
石井健太郎四段は、この前初めて、NHK杯の大石直嗣六段戦で見た。
不利な戦いの中で、受けたり攻めたりしながら、逆転で、相手玉を詰ませた。
その時、この若者は有望だ、と直感した。
羽生名人がNHK杯で加藤九段を破ったあの伝説の一局以来だ。
ちょっと大袈裟かな。 しかし、ピンときたんだな、これが。
この世代は、羽生世代に次ぐ世代になるかも知れない。
何世代と呼ばれるかは、これからだが。
同世代に強いライバルがいると、切磋琢磨して伸びるから、強くなるだろうなあ。

 さて、棋聖と言えば、佐藤康光九段というイメージだったんだが、今や羽生棋聖が佐藤康光九段からタイトルを奪って、8連覇中である。
木村一基、深浦康市、深浦康市、中村太地、渡辺明、森内俊之、豊島将之とその挑戦を退けてきた。
2011年に渡辺明に王位を失冠して以来、タイトルは12連続防衛中である(奪冠、挑戦は除く)。
と、盤石の羽生名人なのだが、破るとすれば、異質な物を持っている棋士だと思う。
永瀬六段は、異質な物を持っていると思う。

永瀬六段のコメント例、
永瀬六段は、プロの戦い方として、千日手や持将棋も視野に入れていたことを明かし「プロはそういうルールをうまく使うべき」であるという見解を述べ、ボクシングを例にあげ「プロは反則ギリギリのところでうまく戦う。反則はいけないんですけど、千日手・持将棋というのは将棋の立派なルールとしてあるので、使うべきかなと思っていた」と話しました。
電王戦出場に「メリットはない」としていた永瀬六段ですが、「電王戦で得たもの」も語ってくれました。
永瀬六段は「1つ、得たと胸を張れることがある」と前置きし、「人間は、負けてはいけないと堂々と胸を張って言えること」と述べました。
出場する前は「プロ棋士は何で負けるんだ。ちゃんとやれよ、と。情けないぞ、と」と思っていたものの「言うのは簡単だった」と躊躇していたのが、自身が勝ってから言うのは「言葉の重みが違うと思う。これを堂々と言えるのが今回得たこと」と語りました。

 ちょっと渡辺明2冠と同じ匂いを感じる。
6月3日(金)から第87期棋聖戦五番勝負が始まるようだけど、面白そうだ。

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