ジブリ『かぐや姫の物語』がアカデミー賞候補に(こちら)。
高畑勲・監督作の『かぐや姫の物語』。
これは、映画館で見た。
この記事を見て、懐かしく思い出した。
わずか1年ちょっと前なのだけど、数年前の話のような気がする。
さて、この映画は、かぐや姫と幼馴染の捨丸の恋の物語である。
しかし、ラストは抹香臭い話で終わる。
月からの天女達が、来迎図の阿弥陀如来のように、雲に乗って、かぐや姫を迎えに来る。
穢れのない天上の世界より、この地上の穢れもある世界に残りたいと言うが、連れて行かれるのである。
まあこういう、罪なき理想の世界より、罪を犯しても懸命に生きるこの世が尊いという世界観は、盟友宮崎駿と同じだ。
そういう世界観は、作品に深みを与えるが、なんだかこの映画にはしっくりこなかった。
だから、このアニメを見終わった感想は、なんじゃ、これは、だった。
しかし、このアニメが凄いのは、絵の良さだった。
フリーハンドで描いたような人と景色、余白の多い日本的な構図、ゆらゆらと動く人、そういう絵が、とても画期的で、日本人には、馴染み深い世界なのである。
アメリカ人にとっても、このアニメはなんじゃこれは、ということになると思うよ。
けど、東洋の神秘とか何とか言って、褒めるかもしれない。
極めて日本的なアニメだけに、そこを、わからんけど、評価するのか、やっぱり、訳がわからんと言って、貶すか、どちらになるのかな、という感じである。
宮崎駿の「千と千尋の神隠し」も日本的だったけど、絵柄が派手だったから、日光と同様に、外国人にも受けたけど、「かぐや姫」は、どうかなあ。