人民元がSDR通貨に採用される。 どうなるんだか。

国際通貨基金(IMF)は30日の理事会で、特別引き出し権(SDR)構成通貨に中国人民元が採用された。

そもそもSDRとは何か?だけど、比較的わかりやすい説明はこちら。
IMFは、加盟国が経済危機に陥った時に短期融資を行う機関。
加盟各国は予めIMFに出資し、それが短期融資の原資になる。
加盟国には出資割合に応じて融資を受ける権利が割り当てられ、SDRとはその単位である。
国際収支が悪化した国は、自国が持つSDRを他の加盟国に渡して、代わりに必要な外貨を手に入れることができるという仕組みだ。
この場合SDRを受け取った国は、要求された通貨を手渡す義務を負う一方で、このSDRを外貨準備に計上することができる。

何だかわかったような、わからないような。
要は、経済危機に陥った時、SDRを使ってSDR構成通貨を手に入れることができるということ。
しかし、あらかじめIMFに出資した額で割り当てられたSDR額が決まっているから、出資額の多い金持ちの国が、多くのSDRを持っているという不思議な仕組みだ。
そして、ネットで調べてみたのだが、過去に使われたことがないようなのだ。
どうもギリシャが今年のギリシャ危機で使用した一例だけがあるようだ。
ギリシャはユーロに頼めただろうけど、普通、頼まれた国も厭だろうし、こんなの機能しないだろう。

さて、中国はどうしてもなりたかったSDR構成通貨国になった。
無法国家、中国が元を刷りまくったり、ニセ札が混じってとんでもないことになるんじゃないか、という話があるみたいだけど、この制度上あまり影響がないような気がする。
中国は、メリットよりメンツにこだわったのかもしれない。

しかし、中国には強烈な副作用が働くかもしれないと言われているようだ。
人民元は現在は相場の変動が制限されているが、構成通貨になれば「自由に取引できる通貨」として規制は緩和される方向となる。
「規制が緩まれば、さらに資本流出が加速する懸念がある。外貨準備が尽きてくれば、人民元危機につながりかねない」と。
つい2~3日前、上海の株価が10%近く下落したけど、関係あるのかな。
波乱含み。

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