「日本史の謎は地形で解ける」が抜群に面白い。

 竹村公太郎著の「日本史の謎は地形で解ける」が抜群に面白い。
知的好奇心を満たしてくれるという意味では、近年希に見る出来栄えの本だよ。
建設省のダム現場に勤務して、全国を渡り歩いてきた経験をベースに、地形と気象から日本史の謎を解いていくという、画期的かつ非常に説得力のある本で、体験記としても書かれているから、読んでいて面白い。

一例を紹介すると、
「なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか」の章では、
滋賀から京都へ入るとき、「逢坂」という山間の非常に狭い道を抜けなければならない。
今でも、JRと高速道路と国道が集中していて、トンネルや山あいを摺り抜ける道になっている。
そして、この地形が、桶狭間にそっくりな地形なので、ここで襲われたらひとたまりもない、と信長を恐怖させた。
そして、「逢坂」のすぐ北には、比叡山延暦寺がある。
そこには、僧侶だけではなく、僧兵という兵士がいる。
京都に行くたびに、危険を冒さなければならないのは、生死に関わる問題である。
だから、比叡山延暦寺を叩いた。
腐敗した僧侶どもを成敗した、なんていう正義か悪かわからない説よりも、非常に説得力のある話だ。
佐川美術館 048 (640x480)
これは、国道一号線で「逢坂」の山間を抜けるところ。
自分の車から撮った。
こういう風に、実際に実感として、この説を確かめたくなるほど、面白い本。
おすすめです。

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