*** 5/29、製品評価技術基盤機構(NITE)は、新型コロナウイルスへの消毒目的として利用されている「次亜塩素酸水」について、現時点において「新型コロナウイルスへの有効性は判断できない」との中間結果を公表した。特に、噴霧での利用は安全性が確認されていないと注意喚起している。(こちら) ***
ツイッターで話題入りしていて、驚いた。
「次亜塩素酸水」は、アルコールの代わりに使えると判断して、使い始めた所なのに。
自分の使用目的は、外出時の手洗い・マスクの除菌だ。
ショックだな。 多くの人にもショックを与えたみたい。
どうも納得いかないので、調べてみた。
まず、これまでの次亜塩素酸水が有効という記事は、
・北里環境科学センター 食塩水の電気分解で得られる中性の電解水が、コロナウイルスを効果的に死滅させることを確かめた。(日経)
・還元水生成器の製造・販売などを手掛けるエナジックインターナショナル(大城博成代表)は13日までに、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターと協力し、消毒殺菌効果がある「次亜塩素酸水」に、新型コロナウイルスの感染性を失わせる不活化効果があることを実証した。(沖縄タ)
・帯広畜産大学は、次亜塩素酸水が短時間で強力に新型コロナウイルスを不活化することを証明した(こちら)。
また、次亜塩素酸水と類似(こちら)の次亜塩素酸ナトリウムは、SARS-1やMERSに対して効果があることは報告されている(こちら)。
今回の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、SARSコロナウイルス(SARS-CoV)、およびMERSコロナウイルス(MERS-CoV)と同じ周囲にエンベロープを持つ構造をしているので、次亜塩素酸水でも効果が期待される(こちら)。
一方、今回のNITEの核心部分、ページ24
• 次亜塩素酸水(電気分解で生成したもの)
– 国立感染症研究所の検証試験において、酸性電解水7サンプルの結果は以下のとおりであった(反応液におけるウイルス液とサンプル液の比率1:19)
• 微酸性電解水(実測値:pH5.0、ACC 49ppm)では、測定したすべての反応時間において99.9%以上の感染価減少が認められた。1分及び5分においては99.99%以上の感染価減少であった。
• 一方、ACC低値群の3サンプル(実測値:pH2.4、ACC 19ppm、 pH2.9、ACC 26ppm、 pH4.2、ACC 24ppm ) においては、ほぼすべての反応時間において感染価減少率は99.9%未満であった。
• それ以外の3サンプル(実測値:pH2.5、ACC 40ppm、 pH4.3、ACC 43ppm、 pH4.9、ACC39ppm )については、現時点で感染価減少にかかる一定の傾向を捉えることは困難であった。
– 北里大の検証試験において、微酸性電解水4サンプル(pH5.0及び6.0、ACC 各50ppm)にウイルス不活化効果は認められなかった(反応液におけるウイルス液とサンプル液の比率1:9)
色々他に調べた結果、効果がありそうなのは、pH5.0、ACC 50ppmぐらいの次亜塩素酸水のようだ。
それで見ると、国立感染症研究所の検証試験では効果あり、北里大の検証試験では、効果なしだ。
効果ありとなしが1件ずつだから、はっきり効果ありと言えない。だから、「有効性は判断できない」との中間結果になった。 中間報告で調査は継続するとのこと。
自分は、効果ありとまだ思っているけどね。
(参考)
次亜塩素酸水の除菌 ・消臭メカニズム、pHについては、「コレスゴの除菌・消臭メカニズム」がわかりやすい。