日本と欧州連合(EU)は17日、首相官邸で経済連携協定(EPA)に署名した。
人口6億人、世界の国内総生産(GDP)で3割、貿易額では4割を占める巨大市場が誕生したことになる。
人口は日本が1.3億、EUが28か国で5億人、GDPは日本が6.6%、EUが21.8%を占めている。
元々、署名式は安倍首相がブリュッセルを訪れ行う予定だったが、西日本豪雨を受け首相が外遊を取りやめたため、欧州側のトゥスクEU大統領とユンケル欧州委員長が来日してきて、調印の運びとなった。
2019年中の発効をめざしているようだ。
トランプ米大統領が保護貿易の政策を打ち出す中、少しでも早くEPAを成立させようというEU側の意欲の現れだね。 それにしてもEU側からわざわざ出向いてくるということに、安倍首相の政治力の強さを感じる。
日本の外交は、白人国から馬鹿にされてきたが、安倍首相の外交力で本来の日本の力に見合った所にまで、ようやく持ってきたと感慨深いよ。
さすが、安倍ちゃん。 吉田茂・田名角栄と肩を並べる大政治家になったかもしれない。
肝心の効果だけど、日本のGDPがおよそ1%押し上げられ、29万人の雇用が増えるとの試算をしている。
中身は、
[EUからの輸入]
(チーズ)
日本が現在29.8%の関税をかけているのを最大3万1000トンまでの新たな輸入枠を設けて、
この輸入枠の関税は、協定の発効後、年々削減して15年後に撤廃する。 この輸入枠を上回るチーズの関税率は現在の水準を維持する。
(ワイン)
一般的な750mlボトルで最大94円の関税、シャンパンで、750mlボトルでで最大137円の関税を即時撤廃。
(パスタ)
1キロあたり30円の関税を10年で撤廃。
(チョコレート菓子)
10%の関税を10年で撤廃。
(豚肉・牛肉)
「豚肉」は、1キロ最大482円の関税を、9年をかけて50円まで削減。
また価格が高い豚肉の4.3%の関税率は9年かけて撤廃。
「牛肉」は、38.5%の関税率を、15年かけて9%まで削減。
(チーズ以外の乳製品)
「脱脂粉乳」や「バター」は、新たに、原料の生乳に換算して最大で1万5000トンまで低い関税で輸入できる枠を設ける。
[日本からの輸出]
(乗用車/自動車部品)
「乗用車」にかけている10%の関税を7年後に撤廃。「自動車部品」は、貿易額ベースで92.1%の品目について、関税を即時撤廃。
(食品など)
「しょうゆ」に7.7%、「緑茶」に最大3.2%、日本酒に1L当たり10円の関税を即時撤廃。
(電子機器)
最大14%等だが、削減・撤廃される。 詳細はよくわからなかった。
日本は、自動車と自動車部品の効果が大きいみたいだ。
一部市場を取られていた韓国から取り返す効果があるのかな。 あまりドイツ・フランスを追い込み過ぎないように注意しておかないと。
電子・電気機器も効果が大きいような気もするのだが、関税減っても、今じゃあ家電とかは中韓台に勝てないのかな。
ワインとか乳製品は酪農家をある程度守れれば、関税は減ってもいいんじゃないかな。
ワインは100円安くなっても、あまり飲まないかな。
自分等なんかは、乳製品が安くなるのは大歓迎なんだけどねえ。
生クリームとかが安くなると、アイスクリームとかケーキが安く作れてありがたいんだが。
まあ、長期にして、枠も設けて、日本は自国の利益を守れたように見える。
5年・10年の間に競争力を付ければいいし、付けなければならない。
日本は元々、食品以外は関税無しだから、切れるカードが少ない印象だけど、日本が得たものの方が大きいんじゃないかな。
日本は一昔前みたいにEUへの輸出を増やしそうな気がする。
けど、ある程度増えたら、現地生産に切り替えて行った方がいい。 そうしないと、どうせまた保護主義に帰ってしまう。