「戦国時代展」  ~京都文化博物館~

京都文化博物館で「戦国時代展」を見てきた。

 室町幕府の政治権力がおとろえ、上杉謙信、武田信玄、毛利元就、織田信長など有力大名たちは領国の経営に力を入れるようになり、その結果、京都で成熟した文化が列島各地へともたらされ、新たな地域文化として再生産されたのでした。
 本展では、合戦の様子や武将の姿を伝える歴史資料、列島の各地で生成された貴重な美術工芸品を一堂に展示し、多様な広がりを見せたこの時代とたくましく生きた人々の姿に迫ります、とのこと。

★「川中島合戦図屏風 岩国本」  十七世紀 八曲一双 岩国美術館
 武士たちの隊列が美しい。

 これは、別本だったかもしれないが、武田信玄と上杉謙信の一騎打ちの場面。

★「縹糸威最上胴丸具足」 十六世紀 一領 埼玉県立歴史と民俗の博物館

 黒くて、紺の締めで一見地味だが、厳かな美しさがある。

★「唐草透彫烏帽子形兜」 十六世紀 一頭 上杉神社
 網のような兜で、とても斬新なデザイン。
現代的でさえある。 戦国から江戸にかけてのデザインは、美術展覧会で色々な作品や衣装を見るにつけ、とても斬新で素晴らしいものであったと、感心せざろうえない。

★「梅唐草蒔絵文台硯箱」 十六世紀 一組 嚴島神社
 重文。 大内義隆の文物は多く展示されていたが、どれも洗練されていて美しい。
雪舟が居を寄せたのもわかる。

★「洛中洛外図屏風」 上杉本 十六世紀後半 狩野永徳/画 六曲一双 米沢市上杉博物館

国宝。
この絵は何度か見た。
離れて見ると、「やまと絵の要所といえば、雲で逃げ」という句があるが、”すやり霞”という金箔のカスミだらけで辟易する。
しかし、近くで見ると、というか近くで見てもわからない、単眼鏡で見ると、庶民や武士の生活の断片がとても細かく生き生きと描かれていて、凄い。
この絵は、単眼鏡で見ないと、その凄さがわからない。 そうしなければ、絵としては駄作だ。
こちらのサイトで陶板で再現した洛中洛外図屏風をパソコンで見ることができる。 それでも見にくいが。
2,500人もの人物が描かれているそうだ。
大風俗図とも言える。
この絵をわずか22歳(1565年)で描き上げたと推定されているからなあ。
子供の遊びも多く描かれている。
ブリューゲルの有名な「子供の遊戯」(1560年)と同時代だ。 5年しか違わない。
いつか、本物をパソコンで拡大して自由に見れないものかな。 堪能したいよ。

 まずまずの展覧会だったと思う。
目玉の「洛中洛外図屏風」 上杉本があるしね。
戦国時代の文化と生活の姿に迫ろうと言う趣旨もいい。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
「関連コンテンツとスポンサーリンク」

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする