神戸市立博物館で特別展「古代ギリシャ」 ―時空を超えた旅― を見てきた。
古代ギリシャには、時代や地域によりさまざまな文明が花開きました。
本展はギリシャ国内40ヵ所以上の国立博物館群から厳選された、325件に及ぶ古代ギリシャの貴重な作品を展示します。そのうち9割以上の作品が日本初公開、とのこと。
★「スペドス型女性像」 初期キュクラデスⅡ期(前2800~前2300年)/クフォニシア群島出土か
この像を最初に見た時、現代彫刻かと思った。
顔の造形は、鼻のみ。
そして、両足の間がざっくり鋭角に切られていて、感覚が斬新で現代的なのだ。
似た現代彫刻を見たことがあるような気がする。
ここから進化して、ミロのビーナスのようなリアルな彫刻になるのか、というより、最初から凄かったのだ。
★「カマレス式 嘴形注口水差し」 中期ミノスⅡB期(前1750~前1700年)/クレタ島、フェストス宮殿出土
この土器も素晴らしい。
生で見ているときは、とても洗練されていると感じたのだが、この写真を見ていると、呪術的な物を感じる。
只ならぬ土器と感じたのだが。
★「牛頭形リュトン」 後期ミノスIB期(前1450年頃)/クレタ島、ザクロス宮殿「神殿宝庫」出土
これも何とも言えず、凄い。
顔から首にかけての文様が意味不明。
意味不明なんだけど、こちらをぐっと捉えて離さない。 正に芸術の神髄。
牛の顔がリアルなだけに、余計対照的だ。
★「君主頭部」 前3世紀/ドデカネス諸島、カリュムノス島沖で発見
なんともリアルな顔。
普通の人の顔に見える。
そして、生きている。
傑作だよ。 他のギリシャ彫刻と違って、理想化されていない。 それがまたいい。
★「パルテノン神殿の西面フリーズ」
1階のホールに飾られていた。 複製だが。
しかし、これぞギリシャ彫刻(浮彫だが)と言いたくなるような傑作だった。
これら5つの作品が、群を抜いて自分の心に響いた。
ギリシャ美術は、今までに何度か見てきたが、本展はとても良かった。
ギリシャ美術の多様性を感じられたし、その完成度の高さを感じられた展覧会だった。
オススメ。