福田美術館で、「若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ~」を見てきた。
初公開となる若冲30代の初期作品《蕪に双鶏図》をはじめ、初期から晩年までの作品と若冲に影響を与えた禅僧や画家たちを取り上げ、若冲作品の魅力とその背景に迫る展覧会。
・「松に鸚鵡図」
鸚鵡の白の塗り方が凄いんだけど、全体としてはどうかな?
とても気に入ったので、1枚1枚写真を撮った。
それを並べよう。 左から。
自然ではありえない屈曲した枝がある。 若冲はよく描いてるけど。 違和感があるんだけどねえ。
地面から右上に伸びている刷毛の線は、なんなんだろうねえ。 草かな。
それでも、全体としてとてもしっくりくる。 若冲の絵では珍しい。
葡萄。 全体として美しい。
柘榴の木かな? 葉の連なりがとても美しい。
踏ん張る鶏がとても感じが出てる。
この3つの絵は、とても好きだな。
蓮の葉。 とんがりは何のか?
何の木だろう?
柳かな? 葉の流れが美しい。
どの絵も枝ぶりや葉ぶりが、とても美しい。 違和感を感じることが多い若冲の絵だけど、この絵は逸品だなあ。
この絵だけで、来た甲斐があると思った。
この絵が本展の目玉。
若冲30代の初期作品だそうだけど、既に若冲完成版という感じだね。
・楼閣山水図
この絵が謎だった。
中央の部分が、何が描かれているのか?さっぱりわからない。
右が枝先なのか? 幹の下部が二股? 流石に右が木の下側ということはあるまい。
崖が描かれているのか? さっぱりわからない。
最晩年の作みたいだけど、左上の塔とか寺とか、右下の船?とか具象的に描かれているので、抽象的な絵でもないだろうし。
兎に角、謎だな。 雪舟っぽいね。
著色された、曾我蕭白《群仙図屏風》( 紙本著色, 重要文化財, 文化庁蔵 )が有名で、それの墨絵版という感じだね。
《群仙図屏風》も見てるけど、そのグロテスクさに圧倒された。 色がない分、こちらの方が毒気が薄れているが。
仙人の悟りというより、醜悪さを感じるからなあ。 何を思って書いていたのか?
しかし、絵に力があるからねえ。 凄いなあと思わざろうえない。