大阪市立美術館で、「フランス絵画の精華」を見てきた。
17世紀の「大様式」と名づけられた古典主義から、18世紀のロココ、19世紀の新古典主義、ロマン主義を経て、印象派誕生前夜にいたるまでのフランス絵画の300年をたどる展覧会。
・17世紀の「大様式」
プッサンとクロード・ロランの絵に期待してたんだけど、あまりいい絵は来てなかった。
ブランシャールの「バッカナール 」が良かったかな。 動きのある絵で。
驚いたのが、ジョルジュ・ド・ラトゥールの絵があったこと。 「煙草を吸う男」。
東京富士美術館が保有している。
暗い部屋の中で、熾火で煙草を吸う男の顔が浮かび上がっている絵。
とてもいい絵。 服や手の質感なんて、素晴らしい。
昔、2005年の国立西洋美術館での『ジョルジュ・ド・ラ・トゥール』展を見た。
ラ・トゥールの真作のほぼ半数と、模作・関連作を含め、計30数点の貴重な作品を展示した展覧会だった。
光と影の画家という感じで、その素晴らしい絵にとても感動したのだった。
それまで、ラ・トゥールを知らなかったんだけど。 まだまだ知らない素晴らしい画家がいるんだなと当時思った。
・18世紀のロココ
ロココは、全然ダメな絵と思っているので、さらっと見たのだが、
フランソワ・ブーシェ「ウェヌスの勝利」がとても良くて驚いた。
ロココだけど、ロココらしくない。
粗いタッチが絵に動きと強さを与え、色合いがデッサンみたいな未完成な味を出している。
ユベール・ロベールの廃墟の絵も良かったかな。
・19世紀の新古典主義、ロマン主義
ドラクロワの「書斎のドン・キホーテ」という小品があった。
なんともいい絵だった。 さすがドラクロワだね。 色に開眼するアルジェリア旅行をする前の作品だったけど。
エリザベト=ルイーズ・ヴィジェ・ルブラン《ポリニャック公爵夫人、ガブリエル・ヨランド・クロード・マルチーヌ・ド・ポラストロン》
写真撮影可だったけど、つまらん絵だな。
最後に近代絵画の夜明けとして、マネの絵が1点飾ってあった。
フランス絵画が良くなるのは、ここから。
というか、印象派がフランス絵画の頂点だね。