兵庫県立美術館で「パウル・クレー だれにも ないしょ。」を見て来た。
ベルンのパウル・クレー・センターおよび遺族コレクションの全面的な協力を得て、日本初公開31 点、国内のコレクションを含む110 点あまりを展示、とのこと。
クレーは、作品の下塗りの層や裏側に、もうひとつ別のメージを意図的に“埋蔵” したり、自分の作品をランク分けして、いいのには、「特別クラス」とか名付けていたらしい。
ランク分けっていうのは、なんか傲慢な感じだし、秘密めかすのは、屈折してるようで、好きでないなあ。
★「彼女は吠え、僕らは遊ぶ」
バックの赤のぼかしの濃淡、それだけで絵になっている。
線描はイマイチだが。
★「柵の中のワラジムシ」
黄色と赤が黒の太線を浮かび上がらせている。
好きな作品。
クレーは、自分のことを線の画家と呼んだそうだけど、頷ける。
色は大したことないし、フォルムもイマイチだけど、線が強調されている絵はいいと思う絵が多い。
★「子どもの胸像」
見ようによっては、グロテスクだけど、魅入ってしまう。
★「異国の寺院の少女」
★「むしろ鳥」
この二つの作品なんか、クレーの線の魅力全開の絵。
シンプルで何とも言えないグッっとくるラインだ。
★「死の天使」
暗い色調だけど、絵だなあと思わせる1枚。
それぞれの固まりが何かはわからないが。
クレーの絵は、50代になってからがいいね。
線が魅力的な画家。
欧米では珍しいんだけど、日本には水墨画の伝統があるからなあ。