フランツ・マルク 《虎》
フランツ・マルク 《犬》 (展示なし) フランツ・マルク 《鹿》 (展示なし)
兵庫県立美術館でカンディンスキーと青騎士展を見た(2011/6/11)。レンバッハハウス美術館所蔵の作品約60点が展示されていた。カンディンスキーの抽象画が生まれ出る前から生まれる頃の作品が中心である。そして、カンディンスキーが中心となって第一次大戦前夜にミュンヘンで起こした新しい絵画グループ「青騎士」の作品も添えられていた。これらは、カンディンスキーの伴侶で自身も画家で青騎士の一員であったガブリエーレ・ミュンターが、ナチス政権下でも地下で守り通し、後に美術館に寄贈した作品達だそうだ。そこに一種感慨を憶えた。
カンディンスキーの初期の絵では、コッヘルでの山と湖の風景画が良かった。そして、徐々に抽象画に向かっていく。「ミュンヘン-郊外」、これがいい。色彩が鮮やかでいて、重厚感がある。そしてバランスがいい。これが2番目に好き。そして、「コッヘル-まっすぐな道」、美しい抽象である。というか単純化である。これが1番。そして、《印象III(コンサート)》や「コンポジションVII」のカンディンスキー独特の抽象画に向かっていくのだが、これらの絵は、好かない。ということは、カンディンスキーの絵は、あまり好きではない。なぜ見に来たか、というとフランツ・マルクの絵が見たかったからである。2年前にこの美術館で見た「三匹の猫」が、すごく良かった。今回は、3点あった。1点は、駄作。《牛、黄―赤―緑》、「三匹の猫」と同じ構成である。猫が牛に変わっただけ。そして、イマイチ。《虎》、虎も背景の岩のような物もキュビズム的な鋭角な面取りで描かれている。それと対照的に虎は鋭角な線ではあるが、体を丸めている。虎の迫力を出すために、鋭い線で描いているのであろうか?まあまあいい。