ロシア・ワールドカップを戦った日本代表が帰国、田嶋幸三会長・西野朗監督・長谷部誠主将が記者会見に臨んだ。
その会見の最後で、田嶋会長が感謝と今後への意欲を述べた後、西野監督について触れた。
「西野さんとは40年以上の付き合いだが、監督の就任ついてお願いした時に、西野さんから『結果がどうであれ、この大会で終わるから』と言われ、それを約束した。その約束はしっかりと守りたい。ですから、そこのところで慰留することはなかった」
その前に、次期監督についての質問で、白紙と答えていたので、驚いたよ。
これで、西野監督続投がないことが、はっきりした。
なぜ、『結果がどうであれ、この大会で終わるから』と言っていたんだろうと考えて思ったのは、ハリルホジッチ解任の時、自分がハリルホジッチを補佐すべき技術委員長の立場にあったことを考えていたんだと思う。
本来なら、監督を補佐そして評価する立場、その人間が次の監督になってはダメだ。
日本代表が危機的状況?(自分等外野にはわからない)にあったので、覚悟を決めて監督就任の頼みを引き受けた。
それが、真実なんだろう。 だから、その次を事前に断ったのだと思う。
立派な男だな。
前の記事で言動が長嶋茂雄に似ているから次期監督としては不安だと書いたけど、間違ったことを書いたかな。
西野監督のコメントには、中々印象深いのがあった。
感覚派という言葉で片付けて申し訳ないと思った。 この会見の西野監督の方が馴染みがあった、というか修羅場を経験してガンバの時以上になったと思う。
西野監督は敗戦後にテレビインタビューで発した「何が足りないんでしょうね」という第一声に込めた想いを次のように語った。
「あの言葉を発するまで少し時間をいただいたかなと思いますが、ゲームが日本にとって好転していっているなかで、まさかあの試合は自分の中で……、考えられない状況でした。あの30分間で自分が判断できる、そういうスピード感というものが自分にまったくなかった。あの状況での判断とか、選手へのメッセージとかというものが……。まさか、ああいう状況になるというのが考えられませんでした」
「選手がというよりは、何が足りないかというのは、自分にとって自問していたことで、こういう時にどういう感覚が働けばいいのかとか、これはステージ3戦目(ポーランド戦)の“10分間”もそうなんですが、チームがひとつになっていく方向性を出せる瞬間というのは、本当に瞬間で。それができなかった時、残り時間に対して、何が足りないんだろうなっていう想いで……。そういう気持ちだったと思います。まあ、自分に対して(の言葉)です」
こういう正直なコメントは、後の指導者に繋がるコメントで、本当に素晴らしいよ。
他にも、
・50年後にワールドカップ優勝という目標を掲げた中で、1ページいや半ページは歴史を刻めたかなと。
・グループリーグ突破を決めた後のミーティング、小さな選手がブラジルと一言言って、詰まった後、泣きじゃくりながら語った言葉が・・・(ちっちゃな選手って誰だろう?乾はブラジル出てないし、と思ったら長友か。間違いない。)
・日本の今のアンダーカテゴリーは本当に期待できます。U-20、U-17は、世界と渡り合える力持っていると思います。
(これは、自分もそう思っていた。特に久保のいるU-17は、U-17WCで優勝できるかもと思っていたぐらい。優勝したイングランドにPK戦で負けたけど。)
・海外組と国内組が融合していかなければならない、うまくいかないのは、シーズンが違うからです。 毎年、毎年、9・10・11月のA代表の強化がうまくいかないのは、シーズンが違うからです。
これは、改善は難しいですけど、考えて行かなければと思います。
(これは、目から鱗だったなあ。 誰も指摘してないんじゃないか。 シーズンが異なるのは、海外移籍が難しくなるので問題と指摘されていたが、代表の強化に問題となると。またJリーグのシーズン移行論が再浮上してくるかもしれないな。 これは、西野監督が一石投じたと思うよ。)
いや~、素晴らしい会見だった。
西野監督をまた見直したよ。
御苦労さんと言う感じ。
しかし、これでまた、いざという時のピンチヒッターを確保したな。
オシム元監督が倒れた時の岡田元監督のように。
あと、Jリーグ創設にかかわった世代の人たちからの連綿と続く熱き情熱を感じたなあ。