ノーベル経済学賞を受賞した人は、今や常識の経済成長の仕組みについて理論化した人だった。

 先月の話になるけど、2018年のノーベル経済学賞は、米国のウィリアム・D・ノードハウス氏とポール・M・ローマー氏が受賞した。
ノードハウス氏の授賞理由は気候変動と長期マクロ経済分析モデルの統合。ローマー氏の授賞理由は技術革新と長期マクロ経済モデルの統合。
ノーベル賞でも経済学なんて全く興味がないけど、雑誌で紹介されていたのを読んで、へえ~と思ったので。

 まず最初に、ロバート・ソロー氏が1956年に経済成長の論文を書いた。
労働者が働いて収入を得る ⇒ 一部を貯蓄する ⇒ それが企業の投資に回って設備投資される ⇒ 労働者の生産性が上がって収入が増える ⇒ このサイクルが積み重なって、経済成長していく。
これを「資本蓄積」と呼び、理論化したそうだ。
ただ、この理論には問題があって、設備投資が増えていくと、効果も薄れ、過剰投資になって、成長が止まるはずだが、現実はなぜかわからないけど、生産性が上がって経済成長は続くという話になっていた。

 その問題を、ローマー氏が解決した。
企業は設備投資だけでは、成長が止まるが、そこに研究開発を組み合わせることによって、技術革新が起こり、労働者の生産性をさらに上げて行くことができると理論化した。 1990年に論文を発表している。
これが、受賞理由だそうだ。

こんなの当たり前の話だろう、と驚いた。
しかし、この論文の中身が喧伝されて、今や皆の常識になったそうだ。
確かにこの内容を初めて理論化したなら、ノーベル経済学賞を受賞して当然という気がする。
1990年なんて、そんなに昔でもないんだけどなあ。 自分が入社した年に近いくらいだ。

 ノードハウス氏は科学者の間で化石燃料の燃焼が気候温暖化をもたらすとの懸念が広がりはじめた1970年代、社会と自然の相互作用について研究することを決める。1990年代半ばには経済と気候の世界規模での相互作用を定量的に説明する統合評価モデルを作成した最初の研究者となった。ノードハウス氏のモデルは炭素循環・気候・経済成長の3つのモジュールからなり、炭素税といった気候変動政策がもたらす結果の試算などに使われている。
まあ、こちらもノーベル経済学賞を受賞して当然なんだろうなあ。

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