藤井聡太七段が、第91期棋聖戦五番勝負の第1局で、渡辺明三冠と対戦した。
タイトル獲得の最年少記録(18歳6カ月)を更新できるかどうかの戦いでもある。
藤井7段の先手で、矢倉の戦型になった。
しかも、最近渡辺3冠が指した戦型をなぞったようで、渡辺3冠の熟知した戦型で戦った。
大胆不敵だな。
渡辺3冠が馬を作り、藤井7段が端歩を詰めて、AIは藤井7段が有利と判定していた。
しかし、渡辺3冠が中盤自玉の金を前に出して、反撃に出て、盛り返して、ほぼ5分になった。
その上、持ち時間が渡辺3冠の方が1時間近く残していたので、苦しくなったように見えたが、最終盤で5分なら、終盤力で勝てるかどうかとハラハラしながら見ていた。
最終版、△1八飛の王手に対して、藤井7段は▲7八香打ちと防ぐかと思いきや、▲6八金と宙ぶらりんの際どい受けを指した。 これには、驚いたな。 最善手みたいだったけど、怖くて中々指せない手。 さすがの読みと度胸だね。
さらに数手進んで、藤井7段が▲3三銀と打った。 ▲3三金なら、藤井7段の勝ちとの解説だったんだが、どうだったんだろう。
将棋AIも▲3三金予想だったんだと思うんだが。 ここは、興味あるね。
ミスして苦しくなったと思っていたけど、まだ5分だった。
そして、最後、藤井7段が詰めろをかける。
お互い、1分将棋になっていた。
ここから、渡辺3冠の怒涛の王手ラッシュが始まる。
解説は、ぎりぎり詰まないという話で、将棋AIも詰まない読みだったが、そこからの王手ラッシュが凄かった。
7八にいた玉が、最後3四まで逃げて、最後藤井7段が逆王手で詰まして勝った。
詰めろをかけていた、金銀の近くにまで逃げて勝ったのだ。
将棋AIの形成判断を知っていなければ、ハラハラドキドキの大感動の将棋だったろう。
それにしても凄い将棋だった。
藤井7段は、いつから自玉の不詰みを読み切っていたのだろう?
不詰みを読み切っていなければ、必死を掛けるようなことをしなかっただろうからなあ。
難解な長手数の詰み・不詰みを読み切る力は凄すぎる。 AI並みだな。
本当に大きな武器だね。
それでも、さすが渡辺3冠は強かったな。 際どい勝負に持ち込んだんだから。
最終版、渡辺3冠は、ちらちら、藤井7段の表情を伺っていた。
△4六金の鬼手なんかを指した前後とか。
まだ2回目の対戦で、相手を知りたい気持ちが強かったんだろう。 なりふり構わずという感じかな。
まあ、まだまだわからないけど、羽生9段との竜王戦とか修羅場を潜り抜けてきただけに侮れないけど、3連勝でばさっと破って、史上最年少でタイトルを獲得して欲しいね。