芦屋市立美術博物館で、「最後の浮世絵師 月岡芳年」を見てきた。
妖怪などの怪奇をテーマとした『新形三十六怪撰』や、芳年の代表作である『月百姿』などを数多く展示し、芳年の魅力あふれる作品の数々を紹介した展覧会。
この美術館は2回目だけど、庭は気持ちいいし、建物の中はもっと気持ちいい。 好きな美術館だな。
月岡芳年の浮世絵をまとめて見たことはなかったかなと思っていたのだが、調べてみると、
2017年に美術館「えき」KYOTOで「芳年~激動の時代を生きた鬼才浮世絵師」を見たことがあった。
ただ、その時と絵はあまりかぶってないような気がする。
歴史上の故事や歌舞伎の話をテーマにした絵が多く、知らないので解説文を読みながら、丁寧に1枚1枚見て回った。
芳年は、歌川国芳の弟子だったので、初期は武者絵等、仰々しい絵が多かった。 それでも巧いので見れる絵だったけどね。 後年は、背景がシンプルになり余白が多くなって、印象深い絵になっていった。
「 一魁随筆」「芳年武者旡類」「大日本名将鑑」「新撰東錦絵」「新形三十六怪撰」「東京自慢十二ヶ月」「風俗三十二相」「月百姿」とシリーズ物が展示されていた。 晩年の傑作「月百姿」の絵が50と半分見れたのは良かったな。
・「新形三十六怪撰 二十四孝狐火之図」月岡芳年
派手な色使い。 明治のけばけばしい赤でも紫で抑えが効いているのか、色のバランスはいい。
「新形三十六怪撰」は、いい絵が多かった。
・「風俗三十二相 うるささう 寛政年間処女之風俗」月岡芳年
女性の様々な風俗というか表情を描いた「風俗三十二相」のシリーズは面白かった。
そして、晩年の「月百姿」。 どの絵にも月の姿を写り込ませた絵の数々。 テーマがいいし、シンプルになった絵もいい。
中でも、「祇園まち」「卒都婆の月」「はかなしや波の下にも入ぬへし つきの都の人や見るとて 有子」「忍岡月 玉渕斎」「法輪寺の月 横笛 」「おもひきや雲ゐの秋のそらならて竹あむ窓の月を見んとは 秀次」が良かった。