昨年の11月の話になるけど、京都国立近代美術館で 「岡本神草の時代」 を見てきた。
初の大規模回顧展。 数少ない本画を可能な限り集め、素描、下図、資料類100点ほどを加え、甲斐庄楠音など同時代の作家達の作品も展示した展覧会。
★「盆踊」草稿
ここで、もううねるような線で、なまめかしさが出てくる。
★「柳陰繋馬」草稿
少女の官能。
★ 「春雨のつまびき」草稿3
この絵で、妖しい魅力が全開になる。
★ 「口紅」
この絵が、完成作としては、頂点の作品になるんだろう。
妖しい舞妓の魅力を対照的に端正で美しい着物が際立たせている。
★ 拳を打てる三人の舞妓の習作
習作だが、この絵が一番好きだな。
気品と妖艶をほのかに感じさせる絵だ。
大正10年、神草は、菊池契月に師事するようになる。
すると、そこから神草の絵から妖しい魅力が消えてしまう。
何の変哲もない美人画になってしまう。 ダメになってしまう。
最後、「婦女遊戯」で持ち直すが、小綺麗さが勝った絵で、魅かれない。
日本画家は、最後ダメになってしまう人が多いなあ。 福田平八郎とか。
後年の絵は良くなかったが、岡本神草の妖しい美人画の魅力を堪能できる展覧会だった。