姫路市立美術館で「バロックの巨匠たち」を見てきた。
重厚な赤れんがの建物。
姫路城が美しい。
「バロック」を主に16世紀末から18世紀初頭にかけて西洋の広汎な地域に表れた多様な美術様式と捉え、イタリア絵画、オランダ絵画、フランドル絵画、ドイツ・フランス・スペイン絵画の44点が展示されていた。
44点は少ないが、重量感のある見応えのある展覧会だった。
★ティツィアーノ 「メディチ家の子供」
少し異様な子供の顔と精緻に描かれた衣装、しかし粗いタッチの犬の毛並みの描き方を見て、最初ベラスケスかと思ったら、ティツィアーノだった。
粗いタッチで効果を出すのは、印象派に先駆けてベラスケスがやりだしたと思っていたんだが、ティツィアーノもやっていたとは。
★ティントレット 「ウリヤの死を知らされるダヴィデ王」
流れるような人物配置でティントレットっぽいなと思ったけれど、驚いている様子が如何にも陳腐な表現に見えたので、亜流かと思ったら、ティントレット本人だった。
う~ん、なかなかティントレットの名作に出会えない。
★ヴェロネーゼ 「女性の肖像」
ビロードの衣装の質感が凄い。
★レンブラント 「襞襟を着けた女性の肖像」
レンブラントにしては、古典的。
★ヤン・ファン・スコーレル 「マグダラのマリア」
変わった絵だ。
女性が壺を小脇に抱えて座っている。
その左横から橋が生えて岩島にかかっている。
そこを老人と犬が渡っている。
背景に木々があるのだが、異様に女性が大きい。
違和感があるのだが、なぜか惹かれる物がある。
★ピーテル・ブリューゲル(子) 「フランドルの村」
芝生や木々の緑が特有なフランドル絵画。
この色合いが独得で好きである。
この緑は、家の茶色と調和している
★ムリーリョ「自画像」
どこか厳しい表情、甘さがない。ベラスケスかと思ったら、ムリーリョだった。これは意外。
ムリーリョは、甘い絵が多いが、これは厳しさのある絵。 自画像だからだろうか。
★ムリーリョ「聖母子」
子供を守るように抱く母親。
市井の母子に見えるが、聖母子。
感傷的で、独得。
常設展示で「國富奎三コレクション」が展示されていた。
近代フランス絵画の数々だが、いい絵が多かった。
とても、一介のお医者さんが集めたコレクションとは思えない。