京都国立博物館で、「鑑真和上と戒律のあゆみ」を見てきた。
鑑真というと、奈良時代に唐から日本に仏教の教えを広めに来てくれた恩人というイメージだったんだが、具体的には、中国正統の律の教えを日本に定着させたという功績があるんだな。 今回、初めて知った。
律とは僧侶のあるべき姿を示し、戒とは僧俗の守るべき倫理基準とのこと。
本展では、日本仏教の恩人と言うべき鑑真の遺徳を唐招提寺に伝えられた寺宝によって偲ぶとともに、戒律のおしえが日本でたどった歩みを、綺羅星のような名僧の活躍と関係諸寺院の名宝を綴ることでご紹介します、とのこと。
日本における仏教史を戒律の観点から知る勉強になったよ。
★「東征伝絵巻」 蓮行筆
鑑真和上のの来日を描いた絵巻。 特別巧いというわけでもなかった。
★「十二天屛風」 鎌倉時代
昔、屏風は各曲が紐で結ばれていたといことを知り、驚いた。
迫力はあるのだが、人体が縦に短く感じられるのが、玉にきず。
★「道宣律師像」 京都・本金剛院 南北朝~室町時代
本展のベストな絵。 ただならぬ雰囲気が漂っている。 こういう神気が出せたら絵として凄い。
経年で黒ずんでわかりにくいのが残念。 絵全体のバランスがいいし、各人物の描写もいい。
★「山水図」 鑑貞筆
全体に透明感があり、遠景の岩山の神秘感は雪舟のようと思ったら、解説に雪舟の絵を学んだと書かれていた。
★「仏涅槃図(法華寺伝来)」 命尊筆
沙羅双樹の上に天女たちが舞い降りている(釈迦の母、摩耶夫人とその従者らしいが)、その全体の構図が美しい。
細部を見ると、それほどでもないが。
★「元照律師像」 楼鑰賛
柔和な顔と椅子かけの鮮烈だがまろやかな青緑が印象的な絵。