「豊臣の美術」 ~素晴らしい狩野宗秀~ *大阪市立美術館

 大阪市立美術館で、「豊臣の美術」を見てきた。

豊臣ゆかりの品々から、天下人の大いなる威光と美意識を体感する展覧会。

★ 「片身替蒔絵懸盤」

まず、ゆらめく海藻に貝の文様に驚く。 海松貝とのこと。 初めて見た。
そして、斜めに一直線ではなく、雷文様線で区切っているのも斬新。
区切られた斜め上に海松貝で下に秋草の文様。
これは良かったな。

★ 「華文刺縫陣羽織」

 生地は薄茶で地味なのだが、後ろが赤い桐文様が鮮やか、さらには裏生地が鮮やかなペルシャブルーで、なんともおしゃれなんだなあ。
ほんと、安土桃山時代のデザインは斬新でおしゃれだ。
信長が巻き起こしたものだと思っているけど。

★ 「芦穂蒔絵鞍鐙」

鐙なんだけど、芦穂のデザインが葉の絡み方とかいいデザインだなあと思ったら、狩野永徳の下絵でこんなんでも素晴らしいんだな、と思った。

★ 狩野宗秀筆 「四季花鳥図屏風」

永徳の弟。
圧倒的に素晴らしかった。 本展のベスト。
2007年の京都国立博物館での「狩野 永徳」展の時に初めて見た。
左隻がクジャクに紅葉、右隻が鶴に桜を描いている。
川の水が独特の暗い碧で、この色に引き寄せられる。
岩がこの碧を少し反映している。
松明垣みたいなのが所々描かれていて、なんなんだろうな?

国宝「檜図屏風」という凄い絵がある。
この絵が描かれた年の9月に永徳が亡くなったので、永徳の参画が疑問視されている。
この「檜図屏風」の水の色の碧が、狩野宗秀筆 「四季花鳥図屏風」の碧にそっくりなのである。
だから、自分は見たとき、狩野宗秀が描いたんだと思った。
まあ、しかし構想や下絵は少なくとも永徳で、水の部分等を宗秀が描いたんだろうなと今では思っている。

★ 狩野長信筆 「花下遊楽図屏風」

これは、本展での展示はなし。
本展のポストカードはなかったので、目に付いたこれを買った。
2000年に東京国立博物館で開催された日本国宝展で見て感動して、思い入れがあるのである。

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